トップアスリート×47都道府県

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トップアスリート×47都道府県(山形) フェンシング 池田めぐみ

「強くなること」 追い求めた現役時代 経験を山形のために。

条件は「五輪出場」 背中押した両親の言葉

私がスポーツに出合ったのは、1984年のロサンゼルス五輪。熱戦、選手にあこがれて、テレビの中に入ろうとしたんだとか。5歳でした。その時から、自分もあの舞台に立ちたいと、ずっと頭の片隅で思っていました。
フェンシングを始めたのは高校時代、その後体育大への進学を両親は猛反対しました。でも最後はある条件と引き換えに許してくれました。それは「五輪出場」。当時は「えっ」と思いましたが、その言葉が背中を押してくれました。
ハンガリーに単身渡り2カ月間“武者修行”するなど、強くなりたい一心でした。原動力となったのは、乗り越えた先の景色を見てみたい―。そんな好奇心でした。五輪には2大会連続で出場しましたが、夢中でつかんだアテネ、方程式の答えのように結果が出た北京…。道のりは大きく違ったものでした。その間2度、膝の靱帯(じんたい)を断裂する大けがをしたことで、自分の体と徹底して向き合うことも学びました。
アジア大会で優勝し、ロンドン五輪に向けていざ、という時に乳がんを患っていることが分かり、現役を退きました。なんで私が?当時はいっぱい泣いたけど、今はまったく後悔していません。いい競技人生だった、と胸を張って言えます。だって、それこそ毎日をしっかり生きてきたから。それに、きちんと自己管理をしていたから、がんを初期のうちに発見できた。そのことに感謝し、今後は山形のために自分の経験を生かすことを考えています。

アスリートと「地域」 出合うことで得る効果

現役時代は、アスリートと地域スポーツとを分けて考えていました。でも最近、見方が変わりました。「楽しく」を目的とした地域スポーツと、「強くなること」を目指すアスリート。両者がもっと交われば、互いにとって刺激になり、スポーツの世界はもっと活性化されるはず。だから私は地域の中にどんどん入っていって、両者をつないだり、アスリートとしての経験を伝えたいと思っています。
私は高校時代に指導を受けた小原秀樹先生に競技人生の土台となる部分をしっかりとつくっていただきました。スポーツとの出合いで、指導者の影響は大きいと思います。それぞれの市町村に、国体開催をきっかけに強化された競技があります。そこに根付き、形づくられた「質」の部分を高めていくことが、今後は大切だと思います。

池田 めぐみいけだ めぐみ(旧姓・原田 めぐみ)

1979年南陽市生まれ。米沢興譲館高校―東女体大―筑波大大学院出。2006年ワールドカップ準優勝。アテネ、北京の両五輪に出場し、北京では日本勢過去最高の15位。10年広州アジア大会のエペ団体では金メダルを獲得した。「YAMAGATAドリームキッズ」チーフアドバイザー。

山形県内のtoto助成事例

サッカーを通じた「人間形成」めざして

NPO法人 山形フットボールクラブスポーツ団体スポーツ活動助成

山形FCジュニアユースの中学3年生のメンバー


県内初のサッカーのクラブチームとして1994年、山形市に誕生した山形フットボールクラブ(山形FC)。サッカーを通じた人間形成を目標に、競技の普及、人材育成にも貢献している。
スポーツ少年団で長年指導した後藤三郎理事長らが、中学生がサッカーを続ける場として部活動以外の受け皿が地域に必要と痛感し、立ち上げた。99年に法人格を取得し、現在は小中学生、社会人各チームのほか、幼児向けスクールも運営。J1・ベガルタ仙台の菅井直樹選手らプロで活躍する選手も輩出している。

試合の中で育つ経験 小中学生の大会を主催

当クラブでは昨年からスポーツ振興くじ(toto)助成を受けて、小中学生向けの大会を主催している。試合の中で学ぶことは大きい。その試合を地元で実施すれば遠征費も軽減できる。そこに県外有力チームが参戦しているのは、クラブの歴史、人脈があってのことだろう。
サッカーは瞬時の判断が求められる競技。「ルールを守り、かつ自分で判断できる子どもを育てたい」と後藤理事長。「クラブで大切なのは理念、そして指導者が信頼される組織であること。より良い指導ができるよう今後も勉強を重ねたい」。

スキー振興を前身に、地域のクラブへ

NPO法人 生涯スポーツ振興会(apls)総合型地域スポーツクラブ活動助成


昨年春に完成したクラブハウス=山形市南二番町

誰もが気軽に運動できる機会と場をつくろうと、長年活動してきた山形市の生涯スポーツ振興会(apls = アプルス)。スポーツ振興くじ(toto)助成を受け去年、クラブハウスが完成したことで活動の幅がさらに広がった。総合型スポーツクラブとして地域のニーズに応えようと、スタッフ一同奮闘している。
アプルスは1977(昭和52)年に発足した子供スキー振興会を前身に、現在は幼児から高齢者まで対象の各種教室などを企画、運営している。子ども向け教室ではコーディネーショントレーニングを取り入れ、運動能力の「土台」を育てることを目指している。

クラブハウスを拠点に学童保育など多彩な活

拠点ができたことで、教室を定期的に開催できるようになったほか、学童保育など多彩な事業も可能に。託児付きヨガ教室は、キャンセル待ちがでるほどの人気だ。
発足当初から、受益者負担を原則に相応の会費を設定しているが、理解を得られ、退会率は低いという。須貝守理事長は「会員の皆さんとともに、地域に根差したクラブを目指したい」と話している。

関連リンク

白鷹若鮎マラソン(山形県 白鷹町)