トップアスリート×47都道府県

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その他

トップアスリート×47都道府県(福島) バスケットボール 萩原美樹子

スポーツには人を笑顔にする力があります。

喜びや苦しみが一気にあふれ出てきました

私は小学4年生のとき、プレーヤーだった父の影響でミニバスケットボールを始めました。その頃から「将来は共同石油(現JX日鉱日石エネルギー)に入社して日本一になり、オリンピックに出場する」という夢を抱いていました。
今は趣味や健康づくりのため、生涯を通してスポーツを楽しむことが当たり前になっていますが、当時はスポーツとは学校の部活動やその延長でするものと見られていました。県内でスポーツに対する意識が変わったのは、平成7年のふくしま国体がきっかけだったような気がします。国体終了後、県内各地に整備されたスポーツ施設を積極的に活用しようとする気運が生まれたからではないでしょうか。
中学卒業後、県内では強豪だった福島女子高校(現橘高校)に進学し、インターハイに出場しましたが、そこで全国とのレベルの差を思い知りました。それを乗り越え、平成8年には、バスケットボール女子代表として20年ぶりにアトランタオリンピック出場を果たしました。初戦はこれまでの思いが一気にこみ上げてきて、いつものプレーができませんでした。逆に練習以上の力を出せた試合もありました。あの高揚感は他の大会では体験できないものです。オリンピックを目指す人には、頑張ってほしいですね。

子どもたちのための屋内施設がもっと必要

スポーツには、大きく分けて二つの楽しさがあります。一つは、現役時代の私が体験した、自分の課題を克服するために練習を重ね、目標をクリアする「自己表現や達成感」の楽しさ。もう一つは、「思い切り体を動かし、汗をかく」楽しさです。
震災後、県内で行ったクリニック(子どもを対象としたバスケットボールの講習会)でも、最初は笑顔のなかった子どもたちが友だちと一緒に夢中で体を動かすうち、ひととき悲しみや苦しみを忘れ、心から笑っている姿を何度も見ました。スポーツには人を笑顔にする効果があると思います。
でも、スポーツを始めたいと思っても、すぐ近くに誰でも気軽に利用できる施設や環境がないと難しいですよね。反対にスポーツ施設が身近にあれば、体を動かしてみようという人が増えるのではないでしょうか。特に今の福島には、子どもたちのための屋内施設がもっとたくさん必要だと思います。

萩原 美樹子はぎわら みきこ

昭和45年4月17日生まれ。福島県出身。平成元年共同石油入社(現・JX日鉱日石エネルギー)。同時に全日本入り。平成8年アトランタ五輪7位入賞。平成9年からアメリカWNBAでプレー。現在は「女子U-16、U-18日本代表アシスタントコーチ」を務める。

福島県内のtoto助成事例

天然芝の野球場に響きわたる元気な声

びわのかげ野球場地域スポーツ施設整備助成

びわのかげ運動公園内に整備されている野球場

町民を中心に各種大会や練習に利用されている

南会津町にある「びわのかげ野球場」は、昭和58年に開設された。両翼92メートル、中堅120メートルで、ナイター設備も整えられている。
同地区は以前から野球が盛んで、一昨年は田島中学校が新人戦県大会で優勝。毎年開催される「町長杯」には町内各地で結成された19チームが参加し、大会を盛り上げる。

野球場を拠点に地域全体の活性化へ

平成15年に総事業費6300万円のうち約4000万円のスポーツ振興くじ(toto)助成を受け、外野部分9006.7平方メートルを芝生化した。
「芝生化で選手のモチベーションも上がったようです。子どもたちも思う存分プレーし、けがも少なくなったようですね」と南会津町生涯学習課の馬場芳男さん。管理する(財)田島振興公社の湯田文成さんは、管理もしやすくなったという。
今年度はリトルリーグ「南会津ボーイズ」も発足。さらに町外からの合宿や大会などを積極的に誘致し、町全体の活性化につなげていきたいと話す。緑の芝生に初夏の日差しが注ぎ、爽やかな風が吹いていた。

スポーツを通して地域の活性化をめざす

ただみコミュニティークラブ総合型地域スポーツクラブ活動助成

楽しみながらバランス感覚などを養う

只見町の環境を活用した自然体験キャンプ

放課後の体育館に子どもたちが集まってきた。この日は、遊びを楽しみながらバランス感覚などを養う子ども向けのプログラムが行われる日で、プログラムを提供しているのが「ただみコミュニティークラブ」。カラフルな色の用具などが準備され、早くも子どもたちの目が輝いている。
同クラブは、スポーツやレクリエーションを通してコミュニティーを構築し、地域の活性化をめざそうと平成20年に発足した。現在、正会員が100名、イベントなどに参加する活動会員が600名。クラブの活動においては、イベントの運営などにスポーツ振興くじ(toto)助成が大いに役立てられている。

豊かな自然を生かした多彩なプログラム

只見町教育委員会の後援を受け、関係機関との連携により、幅広い年齢層に合わせた多彩なプログラムを実施している。
「汗を流すだけでなく、見る、話すこともスポーツの一環。地域に根ざしたメニューを発信していきたい」とクラブマネジャーの渡部一昭さんと平山真恵美さん。地域の元気の一役を担っている。

関連リンク

ネイチャー&レクリエーション「楽宿」(福島県 猪苗代町)