トップアスリート×47都道府県

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その他

トップアスリート×47都道府県(東京) 陸上 土田和歌子

スポーツで地域に恩返しをできたらいいな。

今回のロンドンを競技人生の集大成に

車いすマラソンでトップを目指すには高い身体能力と高性能の車いすが欠かせませんが、それだけではダメで、重要なのは“からだと道具が一体化すること”。両方をどう使い動かすか、そのテクニックを長年追求してきました。
でも、まだ完璧なフィット感を体験できたことはありません。いつかは“競技を極めた”と言い切りたい!その思いがマラソンを続ける原動力のひとつとなっています。
94年のリレハンメルから5度のパラリンピックに出ています。2000年のシドニーから陸上に転向し、マラソンに力を入れてきました。04年、アテネの5000メートルで金メダルを獲得したものの、08年の北京では5000メートルでクラッシュに巻き込まれ転倒。怪我をしてマラソンのスタート台に立つこともできなかったのです。2ヵ月に及んだ入院中は、まだ続けるかどうか悩み抜きました。でも、最終的に「パラリンピックのマラソンで頂点に立ちたい」という昔からの目標が私を前に押し出してくれました。恐らく今回のロンドンは私の競技人生の集大成。現在は目標達成へ向け、最後の調整をはかっています。

健常者と私たちが一緒に楽しめる環境を

ここ数年、嬉しいことに一般の人々の障害者スポーツに対する認識が高まり、私たち選手への理解もだいぶ進んできました。
一方で、障害者の誰もが気軽にスポーツを楽しめる環境はまだまだ整っていません。例えば健常者が利用する地域のスポーツ施設においてバリアフリー化をすすめ、同時に指導者の方々に障害者への知識を少しでも深めて頂くことができれば、気軽にスポーツに親しむ障害者も増えていくのではないでしょうか。
私は現在、地元の多摩市陸上競技場でトレーニングさせてもらって、その様子を一般公開しています。「こんな競技があります」「車いすはこうやって動かします」といったことを地域の皆さんに紹介する良い機会だと思っています。
今後は大いにさまざまな場へ出ていき、スポーツを通じて地域と交流を重ね、健常者との隔たりを縮めたり障害者のスポーツ人口増加に役立っていけたらいいですね。

土田 和歌子つちだ わかこ

1974年東京生まれ。高校2年生の時交通事故で車いす生活に。94年リレハンメル(アイススレッジスピードスケート)から08年北京(陸上)まで連続5回パラリンピックに出場、日本人初の夏冬「金メダリスト」に。ボストンマラソンと東京マラソンではそれぞれ5連覇も達成。

東京都内のtoto助成事例

スポーツがしたくなる場づくり

調布市民西町野球場ほか(都立武蔵野の森公園内)地域スポーツ施設整備助成



調布市、三鷹市、府中市にまたがる都立武蔵野の森公園は、野球場やサッカー場、テニスコートなどを備えた市民スポーツの拠点。休日ともなると、たくさんのスポーツ愛好者が集まります。
都と3市共同の整備計画に基づいて、調布市では、2008年に西町サッカー場を、2010年に西町野球場・西町少年野球場を整備。また、近隣には新たなスポーツ施設の整備も計画されており、スポーツ環境のさらなる充実が着々と進みつつあります。

施設整備で利用者が2~3割増に

西町野球場には、スポーツ振興くじ(toto)助成により、環境面や景観、利用者のからだへの負担などに配慮して、天然芝が外野に敷き詰められました。
同様に、人工芝の西町サッカー場には、夜間照明を6基設置。午後9時までの利用が可能となり、平日の夜には、会社帰りの大人たちが、楽しそうにボールを追いかけています。
市生活文化スポーツ部スポーツ振興課によると、「施設の整備以降、年間の登録団体数が2~3割ほどアップした」とのこと。より安全で快適な場づくりが、市民のスポーツ意欲を高めているようです。

スポーツ始めたら友だち増えた

NPO法人 黄金井倶楽部総合型地域スポーツクラブ活動助成



『総合型地域スポーツクラブ』とは、幼児から高齢者まで幅広い世代が集い、多彩なスポーツを楽しむ地域住民の交流の場。都内各所で現在、約80のクラブが地域住民によって運営されています。
そのひとつが2006年、東京都小金井市で誕生したNPO法人黄金井倶楽部。主に同市総合体育館を会場にフラダンス・卓球・女子サッカー・親子体操など約20の教室を実施するほか、市の恒例行事である野川駅伝大会なども開催しています。「親子教室に通うお母さん同士が親しくなったり、各教室の参加者が駅伝大会を手伝ってくれるなど人の輪が確実に広がっています」と語る米田寛サブクラブマネジャー。

クラブを真ん中に地域がつながる

同倶楽部では現在、7つの教室・イベントについてスポーツ振興くじ(toto)助成を受けています。運営費などのほか、卓球台や大会に使用するテントといった設備にも活用されています。天野和代クラブマネジャーは「全員の財産ですから、学校や地域のイベントにも使っていただいています。当倶楽部を通じてさらに地域の一体感が深まれば」と期待を込めて語ります。

関連リンク

ゴールボールと視覚障害者マラソン大会(埼玉県所沢市、東京都新宿区)
目黒区碑文谷公園テニスコート(人口芝生化)(東京都 目黒区)
上井草スポーツセンター(東京都 杉並区)