トップアスリート×47都道府県

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トップアスリート×47都道府県(静岡) 体操 水鳥寿思

演技が終わってあんなにほっとしたのは、最初で最後かな。

チームに貢献したい その思いが金メダルに

僕が体操を始めたのは、3歳になる前から。実家が体操教室という環境でしたから、自然な流れでした。兄も体操をしており、本当に憧れていました。身近に目標とする選手がいるというのは、自分の目指す道が明確に見えるということで、それはよかったと思います。ちなみに、兄たちが中学のとき、全国でトップ10に入ったのに対し、僕は入れなかった。だから劣等感や、自分の存在を認めてほしいという寂しさがあって、それが体操をうまくなりたいという貪欲な気持ちに変わりました。だからこそ、高校進学のとき県外の強豪校に進学したのです。
そして、オリンピックは小さいころからの夢でした。それがアテネで現実のものとなったときは、本当にうれしかった。金メダルを取ったときもそうですが代表入りを決めたときのうれしさは、それ以上だった気がします。
でも、実際に代表になってみると、今度はその重みがプレッシャーになりました。ですから、金メダルを取ること以上に、自分がチームに貢献したいというのが一番率直な気持ちでした。
それでも予選は、純粋に楽しみながら演技していました。それが、決勝では一変。日本のたすきが自分に託されたような感覚になって、とても恐ろしかった。逃げだしたくなりました。でも、器具につかまった瞬間、落ち着くことができました。演技が終わった瞬間、よっしゃ、という喜びより、ほっとしたというのは、最初で最後かもしれません。

静岡の体操への貢献が自分に課せられた使命

静岡の体操は、ジュニア世代では非常に頑張っているという印象があります。でも、その先がない。以前は実業団チームがあり、オリンピック代表選手も輩出していたのですが、廃部になって以来、うまい子は県外に出るようになりました。皮肉なことに、僕がその道筋をつくってしまったのかもしれません。
だからこそ、僕が静岡の体操を活性化する存在にならなければならないと感じるようになりました。実家の水鳥体操館では兄や弟、いとこが指導に当たっています。だから、僕は別の方法を探っていきたいですね。まだ引退したばかりで、すべてはこれからですが、静岡からオリンピック選手を送り出せるように、静岡の体操に貢献していきたいと強く思っています。

水鳥 寿思みずとり ひさし

静岡市葵区出身。岡山・関西高-日体大を経て2003年徳洲会入り。01年日本代表に選ばれ、04年アテネ五輪の団体総合で金メダル獲得。今年5月に現役引退。現在、大阪大谷大講師、カワイ体操教室チーフアドバイザー。

静岡県内のtoto助成事例

地域に根差したスポーツ環境づくり

スポーツクラブたはら総合型地域スポーツクラブ活動助成

受講者は女性が多いが、クラスによっては男性も


「ゆっくりと足を伸ばして」というインストラクターの声に合わせ、静かに汗を流す受講者たち。スポーツクラブたはらが開催するヨガ教室でのひとコマだ。同クラブは、サッカー少年団が母体となり、2007年に総合型地域スポーツクラブとして発足。09年からスタートさせたヨガ教室は、10年からスポーツ振興くじ(toto)助成金により拡大、現在では週3回の開催で、58人が参加している。
「人気の理由は、参加しやすいから」と、クラブサブマネージャーの山下新一さんは分析する。ヨガ教室の受講料は10回で3000円。toto助成があるからこそ実現できる低料金は、大きな魅力だ。募集の告知は近隣エリアでしか行っていないが、クチコミで受講者は広がりを見せている。

さまざまなスポーツを気軽に楽しめる

ヨガ教室だけでなく、小学生から中学生を対象としたヒップホップダンス教室や、エアロビクス教室、健康体力づくり事業もtoto助成により拡充。それ以外にもグラウンドゴルフやノルディックウォーク教室、サッカースクールなどを展開し、幅広い年齢層の受講者が訪れている。同クラブが目指す地域スポーツへの貢献は続く。

市民のためのスポーツの拠点に

菊川運動公園地域スポーツ施設整備助成


休日には子供たちの明るい声が響き渡る

菊川市の西方地区に位置する菊川運動公園は、650人収容可能な野球場をはじめ、クロスカントリーコースなどを備えた複合施設だ。
その中にある多目的広場が、この春、人工芝グラウンドに生まれ変わった。市民からサッカーの公式試合ができるグラウンドを求める声も大きく、昨年、工事に着工。一般用サッカーコート(105m×68m)、ジュニア用(68m×50m)なら2面が取れるロングパイル人工芝のグラウンドで、スポーツ振興くじ(toto)助成金を受けて整備された。耐久性に優れ、天然芝に近い素材感は、使用者からの評判も上々だ。オープン以降、少年サッカーや中、高校生の大会に多く使われており、水はけがよいため、天候を気にせず試合ができると喜ばれている。

サッカーだけでなく幅広い利用が可能

「現在、週末は7、8割が大会の予約で埋まっています」と話すのは、菊川市教育委員会社会教育課スポーツ振興係の笹瀬泰広さん。改修前にも利用はあったが、今年は予約が明らかに増えたという。もちろん、サッカーだけでなく、グラウンドゴルフやレクリエーション活動などにも使用可能。菊川市民の新たなスポーツ拠点として、期待は高まっている。