インタビュー

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「セブンズ」の魅力。オリンピックを目指して駆け抜ける選手たちの想い

totoの助成で力を増し、世界の舞台で戦う

よく知られている15人制ラグビーとは異なる、もう1つのラグビー。それが7人制ラグビー「セブンズ」。試合時間が短く、少ない人数でスピーディーにプレイを展開するところが魅力で、人気を集めています。totoの助成で開かれている若手育成プログラム「セブンズアカデミー」で力をつけてきた日本代表の今、そして世界と戦う想いを、男女の主将に語っていただきました。

15人制とは違う「セブンズ」の楽しさと難しさ

――坂井選手、中村選手がラグビーを始めたきっかけを教えてください。また、セブンズはいつから始めたのですか?

坂井:中学校までサッカーをしていたのですが、兄の影響もあり、高校からラグビーを始めました。1年生の花園(全国高校ラグビー)では兄が3番、僕が11番で一緒に試合に出場しました。セブンズを始めたのは大学4年生の時で、当時の男子セブンズ日本代表監督だった村田亙(現・専修大ラグビー部監督)さんから声をかけてもらい、代表でプレーするようになりました。

中村:小学4年生から大学まで12年間バスケットボールを続けました。バスケットボールを引退した後、何か新しいスポーツを始めたいなと思っていました。そんな時に現在所属しているクラブが自宅の近くで活動しているのを見て、自分から「入れてください」と門をたたきました。始めた翌年の2011年の6月に、日本ラグビー協会がセブンズでオリンピックを目指すという強化プログラムをスタートさせ、タイミング良く声をかけていただきました。

――セブンズと15人制の違い、そしてセブンズならではの競技の魅力や楽しさは?

坂井:セブンズは15人制と同じ大きさのグラウンドを使い、ほぼ同じルールで行われ、ラグビーのすべての魅力が入っています。7対7でプレーするのでスペースがたくさんあり、ボールを持って走って抜いてトライを取るというおもしろさがあります。また、15人制は80分(40分ハーフ)ですが、セブンズは14分(7分ハーフ)か、決勝で20分(10分ハーフ)と短いこともあって、強豪チームが必ず勝つわけではなく、どのチームにもチャンスがあるのが魅力の一つです。

中村:展開がスピーディーで、ボールがよく動くところが楽しいです。詳しいルールを知らない方でも十分に楽しめると思います。セブンズとバスケットボールはフィットネス(肉体的に求められている状態や質)に似通ったものが必要で、相手を抜いていくスポーツという共通点もあり、ボールのハンドリングの感覚や、味方のためにスペースを作る動きの感覚などはバスケットボールでの経験が生かせていると思います。

――逆に、どういったところにセブンズという競技の大変さを感じますか?

坂井:求められるフィットネスが15人制とはまったく違います。セブンズに慣れているバックスの僕でも試合の準備に1週間は必要です。フォワードの選手たちにはもっと必要かもしれません。

中村:最初の頃は、バスケットボールと違い、ボールを前に投げてはいけないので大変でした(笑)。タックルも、怖いという思いが抜けるまで1年半くらいかかりましたね。また、セブンズの大会は2日間で、1日3試合くらいあり、最初の試合に負けても試合は続いていくので、オンとオフの切り替え方が独特で最初は苦労しました。

日本代表としての自覚を持ち、世界と戦う

――日本代表として世界と戦っている、今の気持ちはいかがでしょうか。

坂井:最初に世界大会に出場したのは、2011年に香港で行われたワールドシリーズの「香港セブンズ」でした。満員のグラウンド、5万人近い観衆の目の前でトップ10に入ることができて、素直に「セブンズって楽しい」と思えた大会でした。今は日本代表の主将として、世界と戦っているという自覚を持ってプレーしています。

中村:初めて日本代表に選出されたのは、インドで行われたアジア大会でした。桜のエンブレムが付いたジャージーに袖を通してピッチに立った時、日本代表としてここにいることを改めて実感し、胸が熱くなるものがありました。

――男子セブンズ日本代表は今シーズンから世界をサーキット方式で転戦する「ワールドシリーズ」に全試合出場できる「コアチーム」に昇格、女子セブンズはアジアのライバル、中国に勝てるようになってきました。現在、世界との差をどのように感じていますか。

坂井:アジア大会では3連覇しましたが、世界に出ると圧倒的なスピードの違いを実感しています。アジアでスピードのある選手でも、世界の舞台ではあっさり抜かれてしまいます。相手にボールを渡さず保持し続けて、空いているスペースにボールを運んでいくという、日本代表のペースで試合ができるように持っていきたいです。

中村:2013年から2014年にかけての1年間、「サクラセブンズ」(女子セブンズ日本代表の愛称)の成長は世界から見ても、急激だと思います。個々の選手の能力が上がり、年間300日くらいを一緒に練習できるようになったことで、チーム力、そしてフィットネスが強みになってきています。

――2015年秋には、2016年リオデジャネイロ五輪のアジア予選が予定されています。意気込みはいかがでしょうか。

坂井:男子日本代表は、2015年5月まで行われるワールドシリーズでトップ10入りを目指しています。オリンピックのアジア予選に向けては、常に世界で戦っていることが最大のアドバンテージになると思っています。この経験を活かし、オリンピック出場という結果を出したいです。15人制とセブンズを兼ねているメンバーが多い中、なるべく同じメンバーで合宿や試合をやり続けることが大事だと思っています。

中村:2015年の秋に行われるオリンピックのアジア予選はあくまでも通過点で、オリンピックに出場してメダルを獲得するのが目標です。また、私もメンバーも、女子ラグビーやセブンズをもっと知って欲しいという使命感が強くあります。男性のやるスポーツというイメージが強いラグビーを女性がやっているというギャップもあり、みなさんに興味を持ってもらえるのはうれしいことです。そこから女子ラグビーや、観客も一緒になって楽しむイベント的な要素の強いセブンズの魅力に気づいてほしいですね。

2016年リオ・オリンピック、そして、2020年東京オリンピックへ

――2019年には15人制のラグビーワールドカップが日本で、2020年にはオリンピックが東京で開催されます。

坂井:まずはリオデジャネイロ五輪で日本ラグビー界の歴史に新たな1ページを作りたいと思います。セブンズの人気を底上げして、それが2019年、2020年につながっていけばいいと考えています。

中村:「女子ラグビーって何?」というレベルだったものが、いろいろな支援をいただけるようになり、広く知られるようになったことで「オリンピックを目指しているんだね。頑張って!」と声をかけていただけるようになりました。2019年にラグビーのワールドカップも決まり、日本のラグビー界には追い風が吹いています。もちろん2020年の東京五輪も視野に入れています。競技人口も増えてきて、その頃には下の世代がしっかり育っていると思います。サクラセブンズも日本のラグビーを引っ張っていけるように頑張ります。

――男女ともに日本代表のための強化合宿が行われており、totoの助成などで実施される「セブンズアカデミー」では若手が育成されています。

坂井:本当にありがたいという一言に尽きます。いろいろな支援を受けて、合宿が増えています。僕が始めた頃は、大会出場時に空港で集合ということもあったのですが、現在は、大会の数週間前に集まり、準備ができるようになりました。また、totoの支援によって「セブンズアカデミー」が開催され、セブンズを知らない中高生に存在を知ってもらえることがなによりうれしいですね。

中村:練習量が増え、それに比例して実力がついてきています。さまざまな方に支えられているということが、日本代表のプライドにつながっています。また、totoの支援により開催されている「セブンズアカデミー」により、中高校生のマインドが日本代表に入るというところから、世界を目指すという風に変わりました。こうした支援がなかったら、ここまで環境が整い、成長することはできなかったと思います。

――女子ラグビーでは、JSCが実施しているナショナルタレント発掘・育成(NTID)プロジェクトで優れた選手を探し、獲得しようとしています。他競技から転向した中村選手はこうした活動についてどう思っていますか?

中村:現在のメンバーには元陸上投擲の選手や、50メートル走6秒台で走れる選手など、特長のある選手たちがうまく組み合わさって、セブンズを作り出していて、一人ひとりの強みが活かせるおもしろいスポーツだと思っています。他競技から転向した選手が入ることは新しい刺激であり、新しい武器を持って入ってきてくれることは、良いことだと思います。

坂井:男子は他競技からの転向組はいませんが、少しパワーが足りなくても、何か一つでも秀でていたものがあれば通用するのがセブンズだと思います。僕も世界に比べてサイズはありませんが、キックで渡り合えていることが自信になっています!

――totoを通じてセブンズやスポーツを応援してくれているファンのみなさんに、メッセージをお願いします。

坂井:これまでの支援にとても感謝しています。今後、さらに男子セブンズが強くなっていくためには、みなさんのサポートが欠かせません。いただいた支援に応えるのは、世界と戦い、結果を残すことだと考えています。今後も応援のほどよろしくお願いいたします。

中村:結果を出すことが、みなさんへの恩返しになると思いますし、女子ラグビーの普及や子どもたちに夢を与えることにつながると考えています。totoを購入してくださるみなさんは、私たちの夢を支えてくださっている方々なので、いつも、ありがたい気持ちでいっぱいです。私たちはその支えで夢を叶え、女子ラグビーを未来につなげていきます。

(2014年11月 関東近郊にて)

坂井 克行さかい かつゆき

1988年9月7日生まれ、三重県出身。豊田自動織機シャトルズ所属。
2003年に高校入学と同時にラグビーを始め、2009年からセブンズも同時にプレーするようになり、セブンズ日本代表に選出。
2012年から男子セブンズの日本代表の主将を務め、2013年6月にセブンズのワールドカップに出場。2014年10月にアジア大会で金メダルを獲得。

中村 知春なかむら ちはる

1988年4月25日生まれ、神奈川県出身。電通東日本/東京フェニックスRC所属。
2010年に、それ以前に12年間やっていたバスケットボールから転向してラグビーを始め、翌年からセブンズもプレーするようになる。
2012年から女子セブンズ日本代表の主将を務め、2013年6月にセブンズのワールドカップに出場。

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