インタビュー

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インタビュー

小学生から夢を語った理由 奥深い世界で得た「探究心と諦めない心」(3/3)

陸上 飯塚翔太選手(ミズノ)

アフリカで陸上教室、根底にある想いとは

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 競技普及は自身も大切にしている。コロナ禍以前は、年間で何十回と陸上教室などのイベントを行っていた。子どもだけでなく、大人への普及も目的としている。「長距離種目の市民ランナーはたくさんいるけど、短距離種目はいないんですよね。それを増やしたい」。短距離種目は筋力が必要。筋力をつけて基礎代謝を高めれば、健康増進に繋がるという。

「30歳を過ぎて代謝が落ちると、有酸素運動でも痩せにくくなる。筋力は年をとっても鍛え続けられます。全力で走ったり、飛んだりするのは健康に良いのかなと思う。実際に短距離種目をやっている大人の方々からは『始めてからすごく元気になって、楽しくなった』という話を聞きます。今は場所が少ないのと怪我のリスクがあるのが課題ですが、これはみんなに味わってほしいです」

 子ども向けの陸上教室も精力的に実施してきた。中でも2018年9月には、アフリカのエスワティニ王国で実施。国際大会で同国代表のシブシソ・マツェンジワ選手と仲良くなったのがきっかけだった。4日間の滞在でかけっこ、リレー、エアロビクスなど運動会のように楽しんだ。スパイク、バトン、ストップウォッチなどをプレゼント。日本を知らない子が半分以上もいる環境で、走る楽しさを伝えた。

「日本でも子どもたちと競争すると『うわーっ!はえー!』ってとても盛り上がるんですよ。それを海外でやりたいなと思いました。やってみたら反応が全く同じ。経済的には豊かとはいえない国ですが、それで笑顔になってくれたり、家に帰ってお母さんに喋ったりして、少しでも明るい話題になってくれたら嬉しい。少しでも平和な影響を与えられたらと思います」

 陸上教室でこだわっているのは、現役選手として実施すること。一番盛り上がる瞬間は自身が走ってみせた時だからだ。「現役のすごく速い時じゃないとできない。今まさに前線で戦っている選手が来るのが大事」。将来のビジョンも明かしてくれた。

「探求心をつくるなど、子どもたちの教育に繋げたい。お年寄りにも元気になってもらいたい。僕のスポーツを通じた経験で街を盛り上げることをやっていこうと思っています。こちらも頑張るモチベーションをもらえる。だから現役のうちにやるべき。これはこれからのアスリートにも伝えたいですね。いろいろな人の気持ちを背負いながらプレーできるのは幸せなことなので」

 日本で競技普及に取り組みつつ、海外でも陸上教室を行う。選手としては2024年のパリオリンピックだけでなく、2028年のロサンゼルスオリンピックまで見据えている。長く続ければできることも増えていく。「そこまでは頑張ります。やれるところまで」。これからも夢を追い、想いに応え続ける。

(当記事は2021年6月に新型コロナウイルス感染症対策を行った上で取材・撮影を行いました。)

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飯塚 翔太いいづか しょうた

 1991年6月25日、静岡県生まれ。ミズノ所属。小学3年生から競技を始め、藤枝明誠高等学校3年生の時に全国高等学校総合体育大会陸上競技大会の200メートルで優勝。2010年U20世界陸上競技選手権大会の200メートルで優勝。短距離種目において日本男子選手初の快挙だった。2012年ロンドンオリンピック、2016年リオデジャネイロオリンピックでは200メートルと4×100メートルリレーに出場。リオデジャネイロオリンピックでは同リレーでの銀メダル獲得に貢献した。日本陸上競技選手権大会の200メートルでは、2013、2016、2018、2020年に優勝。同種目の自己ベストは日本歴代3位の20秒11。100メートルは10秒08。

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