トップアスリート×47都道府県

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その他

トップアスリート×47都道府県(鹿児島) 水泳 柴田亜衣

小さくても夢を持とう 次々かなえられれば人生だんぜん楽しい。

騒ぎ、身体を動かせば輝く笑顔が戻ってくる

2020年夏季五輪の東京開催をめざし、4月の各国オリンピック委員会連合(ANOC)総会で招致演説をしました。そこで強調したのは「東京でこそ、スポーツの力を伝える五輪が開ける」ということ。東日本大震災の被災地で、私が感じたことを話したのです。
被災地には何度も訪れ、子どもたちに水泳を教え、一緒に縄跳びや綱引き、鬼ごっこをしています。心が傷ついた子もいるでしょうが、みんな楽しく騒ぎ、うれしそう。身体を動かし、運動することで、輝く笑顔が戻るのです。これこそスポーツの力。その思いを演説に込めました。
04年のアテネ、08年北京と2度の五輪に出場でき、アテネ五輪競泳800メートル自由形では金メダルが取れました。3歳から泳いできたのでオリンピックには出たかったけれど、出場できるとは考えていなかった。なぜなら私、ちっとも速くなかったんです。

人生でも「慌てず、焦らず、あきらめず」

タイムが大きく伸びたのは鹿屋体大に入ってから。大学の周りに何もなく、水泳に集中できた。それまで1人の練習が多かったけれど大学には先輩、後輩、同期ら仲間が大勢いた。プールなど施設もいい。何より田中(孝夫)先生に出会えたことが大きいですね。
座右の銘「慌てず、焦らず、あきらめず」も先生の教えです。仲間と一緒に何度も聞きました。金メダルを取ったレース直前にも言い聞かせてくださった。人生にも通じる言葉、大好きです。
引退後、講演する機会が増えました。そこで子どもに話すのは目標を持つ大切さ。私も経験しましたが、目標があり、それをクリアできれば大きな喜びが生まれます。次のステップに進めば新しい世界が開けます。
目標は大きくない方がいい。例えば、次の大会で自己新を出すとか、テストでいい点を取るとか。1年に1度より、1カ月後とか、翌日挑戦できる方がいいかもしれない。だって目標をクリアし、新しい目標を立ててそれを目指す、そんなふうに次から次に達成できたら人生はだんぜん楽しいじゃないですか。
最近、夢を描けない子が多いように感じます。幼いころ、私は、夢って楽しくて、キラキラしたものだと思っていました。早く大人になってそれをかなえたかった。子どもたちにはわくわくする夢を持ってほしいですね。

柴田 亜衣しばた あい

アテネ五輪競泳800メートル自由形の金メダリスト。1982年5月、福岡県生まれ。徳島・穴吹高―鹿屋体大―同大学院卒。日本スポーツ振興センターSPORTS JAPANアンバサダー。

鹿児島県内のtoto助成事例

プロにも大好評の天然芝グラウンド

国分運動公園多目的広場地域スポーツ施設整備助成

手入れが行き届いた天然芝はプロ・アマ問わず好評


霧島市の市街地近くに立地する国分運動公園多目的広場。利用率はサッカーが9割で、残りはラグビー、グラウンドゴルフ。週末を中心に、年間を通してスポーツ少年団からプロまで利用している。
市や県の大会などが開催されていたが、芝が傷み状態が悪化したため、09年にスポーツ振興くじ(toto)助成を利用し整備した。
指定管理者を務めるのは(株)エルグ・テクノ。専属のグラウンドキーパーが日々、芝の状態に目を光らせている。その成果もあり、サッカーJ2京都サンガFCをはじめ、プロのラグビーチームなども合宿。今年2月には、サッカー元日本代表監督の岡田武史氏が監督を務める中国・国内リーグ1部の杭州緑城も練習試合で訪れ、多くの観客で沸いた。

最高の芝を提供したい 手入れは欠かせません

村上英則施設長は「岡田監督からも芝の状態がいいと好評だった。芝は生き物。今後も日々手入れを続け、最高の状態で利用者に提供したい」と意気込む。担当する霧島市教育委員会教育部保健体育課の稲留幸一郎さんは「天然芝のグラウンドをたくさんの人に使ってほしい」と呼びかけている。

誰でも親しめるスポーツ環境づくり

NPO法人 SCC総合型地域スポーツクラブ活動助成


カニ歩きなどのユニークな練習に笑顔は絶えません

鹿児島市で総合型地域スポーツクラブ活動を展開する特定非営利活動法人SCC(スポーツ・コミュニケーション・サークル)。約640人が楽しんでおり、スポーツ振興くじ(toto)助成は指導者の謝金などに役立てられている。
幼稚園児も通うジュニア陸上競技教室の目的は「かけっこが速くなる」。練習法は、スタートダッシュやもも上げなどの基本だけでなく、走り高跳びやミニハードル、鬼ごっこやテニスなど。飽きさせず楽しめるメニューで、西村紀葵(もとき)君は「足が速くなった。運動会では1番です」とうれしそうに話す。

子どもから高齢者まで 体動かす楽しさ知って

健康体操教室は、筋力を上げることで肩こりや腰痛改善にもつながると人気。鶴留公子さんは「左肩が痛くて6年前から通っているが、肩をはじめ体全体が軽くなった」と喜ぶ。
SCCクラブマネジャーの竹内良人さんは「いろんな人にスポーツに親しんでほしい」と話す。SCCではほかに、健康であれば誰でもエントリーできる「50メートルダッシュ王選手権」などのイベントも実施。指導者育成研修会や学校への講師派遣なども行っている。

関連リンク

鹿児島市立皇徳寺小学校(校庭の天然芝生化)(鹿児島県 鹿児島市)