インタビュー

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3種目で日本記録保持 女子中長距離のエースが「挑戦」を続ける理由

陸上 田中希実選手

個人3種目で世界に挑戦、多種目を戦う意味とは

 挑戦。その2文字が競技生活を支えている。女子の1000メートル、1500メートル、3000メートルの3種目で日本記録を持つ田中希実選手。東京オリンピックでは1500メートルで日本人初出場を果たすと、この種目で日本人初となる8位入賞の快挙を果たした。今季は400メートルから1万メートルまで幅広い種目に出場。ひたむきに戦う姿は多くの人々を惹きつけている。

 7月にアメリカ・オレゴン州で行われた第18回世界陸上競技選手権大会では、800メートル、1500メートル、5000メートルに挑戦。個人3種目の出場は日本人初だった。参加標準記録を突破していた1500メートルと5000メートルは、6月の第106回日本陸上競技選手権大会の優勝で権利を獲得。800メートルは他国の選手に辞退者が出たことで、出場権が巡ってきた。

 すべて決勝まで進めば、10日間で8レースをこなすタフな日程だ。迷いはあったが、種目を絞ることなく多種目に挑戦。不安を忘れるくらいの過密スケジュールにした方が、性に合っていると判断した。

「800メートルの権利が転がり込んできたので、その流れに乗った方がいいのかなと思ってやってみました。最初の1500メートル予選が一番怖くて緊張していましたが、そこは超えることができたと思います。その辺りからすごく楽しくなってきました。でも、逆に楽しすぎて自分でも『これはまずいぞ』と思っていて(笑)。楽しさのピークが少し早く来すぎてしまっていると感じていました」

 結果的に最初の1500メートルは準決勝進出、800メートルは予選敗退、予選を通過した5000メートルは決勝12位と5レースを走り抜いた。日々のきつい練習、世界の猛者たちと争う過酷なレースと向き合うのが田中選手の日常。「挑戦心」は競技生活にどんな影響を与えているのか。

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「やはり練習はしんどいことが多いので、挑戦する気持ちをずっと持ってないといけないかなと思います。皆さんしんどい思いをしているはずですが、その中で我慢する意味があって、大会で自分の限界に挑戦できることでやっと報われる。それはアスリートみんなに共通していると思っています」

 日本代表になり、成績を期待される立場になった。結果を残さなければならない重圧は「ずっと感じていますね」と付きまとう。そんな中でも、「自分の力を引き出してもらえているという感覚を得られたら、すごく楽しいし、ワクワクもします」と語る。世界レベルの選手と走れば、新たな力が発揮されるという。

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