インタビュー

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3種目で日本記録保持 女子中長距離のエースが「挑戦」を続ける理由(2/2)

陸上 田中希実選手

今より一歩成長することを大切にしてきた競技生活

 ただ、世界陸上競技選手権大会は満足できる結果ではなかった。

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「あまり引き出してもらえている感じはなかったです。普通は他の選手の力を引き出したらダメなわけで、潰し合いのレースになる。今回は本当に実力勝負になると(レース前から)薄々とわかり始めていました。今の実力だと、引き出してもらうようなレースじゃないと戦えない。自分で自分の力を引き出すことができる自信はなかったので、そこが難しいところでした」

 北海道マラソンで2度優勝した市民ランナーの母・千洋さん、元実業団選手で現在はコーチを務める父・健智さんのもとに生まれた田中選手にとって、幼い頃から走ることが身近にあった。中学生の時から本格的に陸上競技種目をスタート。最初からオリンピックなど世界の舞台を夢に描いていたわけではなく、今の自分より一歩成長することを大切にしてきた。

「ある日突然、世界を目指そうと思ったというより、少し先の部分に手を伸ばすようなことを続けたら、いつの間にかここまで来ていた感じです。昨年の東京オリンピックで入賞という成績を得られたので、最近は『ずっと入賞圏内で戦いたい』と明確な想いがあります。入賞圏内にいられるような実力があれば、メダルを目指すレベルになってくる。世界のトップと言われるような部分にずっといるような選手になりたいです」

 身も心もタフだった世界の大舞台を終え、帰国後は1週間ほど北海道を転々。ジョギングをしつつ、観光も楽しんだ。2023年の世界陸上競技選手権大会の開催地はハンガリーのブダペスト、2025年は東京だ。その間の2024年にはパリオリンピックがある。

「パリオリンピックはキャリアの中の通過点として捉えられたら一番いいかなと。毎年のように何かしら目指す大会がある。出場する種目のことも特に考えず、今のスタイルを継続して、その中でレベルを上げていきたいなと思います」

 努力の道を駆け抜けてきた田中選手。挑戦の日々が途切れることはない。

(リモートでの取材を実施)

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田中 希実たなか のぞみ

1999年9月4日、兵庫県生まれ。豊田自動織機所属。実業団選手だった父、市民ランナーの母に影響を受け、幼い頃から走ることが身近にある環境で育った。中学生から本格的に陸上競技種目を開始。高校は陸上強豪校に進み、U20世界陸上競技選手権大会では3000メートルで優勝。大学進学後は、クラブチームに所属し父の指導を受けながら大会に出場。U20世界陸上競技選手権大会では3000メートルで優勝した。2020年7月に非五輪種目の3000メートルで18年ぶりの日本記録、同8月にも1500メートルで14年ぶりに日本記録を塗り替えた。東京オリンピックは1500メートルで日本人初の8位入賞を果たした。日本陸上競技選手権大会では2020年から1500メートルで3連覇し、2022年は1500メートルと5000メートルの2冠を達成。現在は1000メートルの2分37秒33、1500メートルの3分59秒19、3000メートルの8分40秒84でいずれも日本記録を保持している。

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