インタビュー

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失意から立ち返ったスキーの原点 楽しさと基礎の再確認で呼んだ成長(3/3)

フリースタイルスキー・モーグル 堀島行真選手

子どもたちに伝えたいスキーで感じる非日常「ぜひ経験してもらいたい」

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 北京オリンピックまで3か月に迫った11月上旬。堀島選手は「気持ちとしては、明日からオリンピックが始まると言われても大丈夫です」と穏やかな口調ながらキッパリと言った。「金メダルは獲れたらうれしいですけど、取れなくても今までやってきたことが充実しているので、すごく気持ちは楽ですね」。メダル獲得だけを目指していた4年前とは、目に映る景色は全く異なっているようだ。

 オリンピックは大好きなモーグルを多くの人に知ってもらう絶好の機会でもある。初めてモーグルを見る人には「1本もミスできない緊張感を一緒に味わってもらいたいですね」と話す。

「モーグルは全員で予選を戦った後、まずは20人に絞られて、次は12人になり、最後は6人で決勝を行います。ただ、得点は予選の1本目から決勝まで積み重なっていくので、ノーミスでなければ通過できない一発勝負の緊張感が続くわけです。メンタル的にかなりきつい中でも、高いパフォーマンスを出す凄さを分かってもらえるんじゃないかと思います」

 また、世界トップを争うアスリートたちのパフォーマンスが、1人でも多くの子どもたちがスキーを始めるきっかけになることも願っている。「スノースポーツの人気が下火になって、競技人口が少なくなっているんです」と少し残念そうな表情を浮かべながら、熱い想いを続けた。

「スキーを滑る感覚は非日常的だし、リフトに乗って山頂まで上がる景色も街では見られないもの。山の斜面を滑走する感覚も、僕自身が楽しくやっているからこそ、ぜひ経験してもらいたいですね。そのためにもスキー体験教室のようなものを実現したいと思います。ここ数年、スポーツくじの助成事業として、まだナショナルチームに入っていない若い選手、始めたばかりの選手を対象にモーグル教室や大会が開催されています。これはすごく有難いことで、僕もオフ期間には活動に参加したいと考えています」

 スポーツくじ(toto・BIG)の収益による助成金は、次世代を担うアスリートの発掘・育成に活用されているほか、スキー場におけるリフトの整備など、地域のスポーツを支えるためにも役立てられている。

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「僕自身、ナショナルチームに入ってから助成金 ∗ のサポートで海外遠征に行くなど、チャレンジの場を設けていただいているので、とても有難く思っています。さらに、自分がよく使っているスキー場もリフトの整備などで助成金の支援を受けているので、おかげでスキーができているんだと感謝の気持ちが沸いてきます。スポーツをしていると、本当にいろいろな人に支えられていると感じる経験が多くある。これからも支援してくださる方々の気持ちを感じながら、応援されるに値する人でありたいし、スノースポーツも支援に値する競技であり続けたいと思いました」

∗スポーツくじ(toto・BIG)の収益以外からの助成金を含みます。
 

 平昌から北京へ向けて歩み続けた4年の日々は、堀島選手を競技者としてだけではなく、1人の人間として大きく成長させる時間となったようだ。

(リモートでの取材を実施)

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堀島 行真ほりしま いくま

1997年12月11日、岐阜県生まれ。両親の影響で生後間もなくスキーに親しみ、小学4年生から本格的にモーグルを始める。同じくモーグル選手でもある姉と競いながらスキルアップを果たすと、高校2年生で出場した世界ジュニア選手権のデュアルモーグルで7位に入賞。2015年にはFISフリースタイルスキー・ワールドカップ開幕戦のデュアルモーグルで3位となり、同シーズンのルーキー・オブ・ザ・イヤーに選出された。2016年に中京大学に進むと、翌年のアジア冬季競技大会でモーグルとデュアルモーグルで優勝。2017年のFISフリースタイルスキー世界選手権では初出場にしてモーグル2種目で優勝したが、翌年の平昌オリンピックでは11位に終わった。ワールドカップでは2019年から2シーズン連続で個人総合2位となった。

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