インタビュー記事

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その他

甦った風を切る感覚と身体を動かす喜び パラカヌー界の星が語る原点(3/3)

スポーツくじの助成金や行政によるサポートで「平等な競技環境と始める権利」を創出

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 日本でもダイバーシティやインクルージョンといった互いを認め合う価値観の理解が進められているが、瀬立選手はカヌーが持つ魅力について「水上はバリアフリー」という言葉で説明する。

「車いすで生活する人は、段差があると通れなかったり、別の道を案内されたり、どうしてもセパレートされてしまうことがあります。でも、水上に出れば段差は一切ない。みんなと同じように行動できて、同じ目線でカヌーを楽しめる。私が練習する場所は、中高生からシニアの方まで集まっていて、すれ違う時に『頑張ってね』『今日はどこまで行くんですか?』と声を掛けて下さるんです。誰もが参加できるインクルーシブな社会、小さなコミュニティが水上にあることが、カヌーが持つ一番の魅力かもしれません」

 チームモニカのメンバー、地域の水上で出会う人々をはじめ、普段から様々なサポートを感じているという瀬立選手。スポーツくじ(toto・BIG)の収益による助成金もまた、瀬立選手も利用している石川県小松市の木場潟カヌー競技場を始めとした地域のスポーツ施設の整備やジュニアの育成合宿といった次世代選手の発掘・育成プログラムの実施など、幅広く日本のスポーツをサポートしている。

「例えば、中学生がカヌーをやりたいと思った時、道具を揃えたり場所を確保したり、1人の力では越えるのが難しいハードルが出てきます。でも、スポーツを支える助成のシステムがあれば、みんなが平等に競技を始められる環境が整っていくし、始める権利を持てるようになります。また、江東区のカヌー部のように行政事業として取り組んでもらうことで、競技人口の裾野が広がり、トップ選手が育ちやすくもなる。実際に江東区のカヌー部は、私が入った頃は10人くらいでしたが、今では約60人もいて、全国トップクラスの選手もたくさん出てきました。スポーツくじの助成金や行政によるサポートシステムが競技普及の一翼を担っていると実感しています」

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 開催が迫る東京パラリンピックでは、もちろん金メダルの獲得を目指す。

「前回のリオデジャネイロパラリンピックを終えた後、東京大会は運ではなく、実力で出場してメダルを獲ることを目標としてきました。残りの期間、しっかり自分の畑の野菜を育てていきたいと思います」

 土を耕し、種を蒔き、肥料を与え、5年の歳月を掛けて丹念に育ててきた“瀬立モニカ”という畑で育った野菜。生まれ育った江東区で金メダルという形で収穫する瞬間を、みんなが待ちわびている。

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瀬立 モニカせりゅう もにか

1997年11月17日、東京都生まれ。子どもの頃から水泳やバスケットボールをプレー。中学生になると江東区の区立中学校カヌー部に参加し、東京国体出場を目指す。だが、大会目前の2013年に高校の体育の授業で倒立前転に失敗。脊椎損傷の大怪我を負い、車いす生活となった。2014年夏にパラカヌーと出会い、パラリンピック出場を目標とすることを決意。2016年のリオデジャネイロパラリンピックに出場し、女子カヤックシングルで8位入賞。2019年8月にパラカヌー世界選手権大会で5位に入賞し、東京パラリンピック日本代表に内定。地元・江東区にある海の森水上競技場で金メダル獲得を目指す。

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