インタビュー
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銀メダリストが49歳になっても走る理由 世界マスターズ陸上に挑む姿(3/3)
銀メダリストが49歳になっても走る理由 世界マスターズ陸上に挑む姿
クラブの活動で実現する「世代を超えた安全で安心な場所作り」
「基本的には週に1回来るだけですが、いろいろな人たちと接することができる。いろいろなコミュニティーに触れることで生きる力をつけていってもらいたい。中には運動が苦手な子もいます。初めは親の勧めで通っていても、苦手なことを周りが気にしないので、次第に本人も気にしなくなる。適当にやっていますが、それもすごく大事。苦手だからやらないのではなく、苦手でも続けていく中で自分の成長は確かに感じられるようになります。
運動を好きにさせるアプローチは特にありません。苦手だと自分でわかっているのに周りから注目されるのが嫌な原因だと思うんです。だから、苦手なことを誰も気にしない。運動会のようにピリピリして『こんな恥ずかしい思いをするのは嫌だ』ということもありません。好きなようにしてもらうのがいいことだと思います」
子どもたちにアンケートをとると、クラブに来て良かったこととして「足が速くなった」が3位。1位は「友達が増えた」だった。朝原氏は「親御さん同士も仲良くなって、おじいちゃん、おばあちゃんも来る。世代を超えて安全で安心な場所作りができたのは良かった」と目を細める。
クラブの活動などを通じて、スポーツの魅力を感じてもらうことやスポーツ振興を願うからこそ、競技の普及・発展を支えるスポーツくじ(toto・BIG)の収益による助成金の意義も理解している。陸上競技では日本陸上競技連盟によるアンダー世代の合宿の開催をはじめ、地域のマラソンイベントや陸上競技場の整備などにも役立てられている。朝原氏はその恩恵や課題についてこう語った。
「私も現役時代から助成の恩恵を受けていたので、スポーツでそれを還元したい。こういったものがなければ、スポーツに取り組むきっかけを作るのも難しい。きっかけ作りにはすごく有効だと思います」
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自身は将来の活動について、「スポーツ振興の健康分野。食に関することなど知識をたくさん得て、それがビジネスになればいいと思います」と描いている。スポーツクラブについても「やはり広げていきたいですね」。もちろん、マスターズ陸上の選手としての目標もある。
「今のベストはM45で11秒14。来年6月で50歳になるんですよ。目標は50歳で10秒台」
来年5月には「ワールドマスターズゲームズ2021関西」も控える。もちろん出場を見据えるが、「それを節目にして、そこから先はわからないです」と笑顔。スポーツの普及、発展を願いながら、自身も記録を追ってスポーツを楽しみ続ける。
(当記事は2021年7月に新型コロナウイルス感染症対策を行った上で取材・撮影を行いました。)
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朝原 宣治あさはら のぶはる
1972年6月21日、兵庫県生まれ。中学時代はハンドボール部で全国大会に出場。兵庫県立夢野台高等学校へ入学後に陸上競技を始め、3年生の時に走り幅跳びで全国高等学校総合体育大会(インターハイ)で優勝。同志社大学在学中の1993年に100メートルで当時の日本記録10秒19をマーク。大学卒業後は大阪ガスに入社。1996年に10秒14、1997年に10秒08と日本記録を3度更新。日本人として初めて10秒1台、10秒0台をマークした。1996年アトランタオリンピックでは日本人として28年ぶりの準決勝進出。4大会連続出場となった2008年北京オリンピックでは、4×100メートルリレーでアンカーを務め、銀メダル獲得に貢献。世界陸上競技選手権大会には6度出場。自己ベストは100メートルが10秒02、200メートルは20秒39。
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