トップアスリート×47都道府県

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その他

トップアスリート×47都道府県(福井) バレーボール 中垣内祐一

地域スポーツこそ、青少年の健全育成や、スポーツ振興に重要。

福井県のスポーツ教育は 全国の模範になる

私がバレーボールと出会ったのは中学時代です。それまでは野球に夢中だったのですが、顧問の先生に熱心に誘われ、バレーの道に進むことになりました。その後、筑波大学在学中に全日本代表に選出され、1992年にはバルセロナ五輪へ出場することができました。
私の出身である福井県からは、私を含め、三屋裕子さん、荻野正二、そして現役のスーパーエースである清水邦広と、何人もの全日本チーム選手を輩出しています。他県の方からは、「人口80万人余りと少ないのに、なぜ福井は選手の層が厚いのか」と感心されることが多いですね。
ちなみに、福井は全国の体力テスト、学力テストの両方でトップにランキングされています。福井県は体力と学力を相互作用させることで、青少年の人間形成、健全育成を行っており、全国的に模範となるでしょうね。そのため、私は、スポーツが青少年の健全育成に大いに貢献していると、信念を持っています。

将来は福井県でも、地域スポーツに関わりたい

私は、スポーツを行う上で、指導者の重要性が非常に高いと思っています。指導者の熱意や技術、それを支える環境によって、スポーツの隆盛が決まると感じます。
私は自らの考えや工夫で、バレーと対峙してきましたが、さまざまな指導者の方にも影響を受けました。全日本男子チームを金メダルに導いた元代表監督である、故松平康隆さんもその一人です。私が初めてワールドカップに出場した時のこと。「弱いヒーローなんて、いないんだぞ」と叱咤されました。もっと強い選手にならなくてはと、鼓舞してくれた言葉でした。
現在、私がアドバイザーを務めている「堺ブレイザーズ(堺市)」は、Vプレミアリーグに参戦しているチームの強化はもちろん、地域に根差したスポーツクラブとして、バレー教室や中学校のジュニアブレイザーズの育成なども行っています。地域密着型スポーツクラブを通じて、スポーツ種目の魅力を伝え、スポーツ人口の拡大と指導者を育成することが、今後ますます重要になると思います。
一方で、全日本男子のコーチとしても、世界大会に専念していますが、将来は私のさまざまな経験を生かして、福井県でもバレーの指導や地域のスポーツマネジメントにぜひ携わりたいですね。

中垣内 祐一なかがいち ゆういち

福井県生まれ。藤島高校卒業。筑波大学在学中、全日本男子代表に初選出。1992年バルセロナ五輪出場。2004年、堺ブレイザーズ監督(現アドバイザー)に。2011年より、全日本代表コーチに就任。

福井県内のtoto助成事例

全天候テニスコートで交流人口拡大を

サン・スポーツランド(大野市)地域スポーツ施設整備助成

全天候型の砂入り人工芝コート


奥越高原県立自然公園の一部であり、豊かな自然が広がる六呂師高原。その一角に、テニスコート、多目的グラウンドを備えた「サン・スポーツランド」があります。大野市が本施設を開業したのは、昭和61年のこと。20数年を経過し、ラバーであったテニスコートや、赤土グラウンドが老朽化し排水処理も低いことから、利用者の減少が続いていました。

雨天でもプレーできる砂入り人工芝コート

そこで大野市では、スポーツ振興くじ(toto)助成を活用し、テニスコートの人工芝生化、グラウンドの天然芝生化を計画。6面あるテニスコートは、日本の競技環境でメジャーなテニスコートである、雨でもプレーが可能な全天候型の「砂入り人工芝コート」を採用しました。
大野市産業振興課によると、すでに8月は県外大学などの合宿予約が入っており、今後は市民の利用はもちろん、県外合宿の誘致を通じた交流人口の拡大が期待できるとしています。本年8月末に完成を目指している多目的グラウンドと併せ、六呂師高原の立地にふさわしい、緑のスポーツランドが完成します。

少子高齢化を見据えたスポーツクラブ

あわらトリムクラブ(あわら市)総合型地域スポーツクラブ活動助成


バランスボールを使用した、健康づくり教室

総合型地域スポーツクラブは、身近な地域でスポーツに親しむことのできる新しいタイプのスポーツクラブ。「あわらトリムクラブ」は総合型地域スポーツクラブとして、スポーツ初心者の未就学児やスポーツから遠ざかっている高齢者を中心に、約20種のスタジオプログラムやプールプログラム、さらに中学生を対象にしたカヌーポロ教室などを開催しています。

住民のアンケートなど、地域に根差した活動を

あわらトリムクラブは設立3年目の新しいクラブ。現在は400名以上の会員がおり、NPOの法人格取得に向けて取り組んでいるところです。
アシスタントクラブマネジャーの山田清美さんは「準備期間の2年間と、現在はスポーツ振興くじ(toto)助成を受けてクラブ運営を行っています。助成金のおかげで、さまざまなプログラムを開催することができて非常に助かっています。こちらのクラブでは、日中は高齢者の方向け、夜間は未就学児や、若い世代向けのプログラムを実施しています。今後は、出前講座などを増やし、“みんなの地域スポーツクラブ”の輪を広げていきたい」と話します。