私たちの街のGROWING

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私たちの街のGROWING

朝でも、夜でも、晴れでも、雨でも使える生まれ変わった福生市の競技場。

スポーツを「する・みる・支える」活動の拠点として。

 JR青梅線・福生駅から徒歩25分、多摩川の近くに位置する「福生市営競技場」。一歩足を踏み入れると、鮮やかなグリーンの人工芝でできた広大なサッカーコートと、まっすぐに延びた6レーンの全天候型100mトラックが目に入ります。他にもジョギング走路やテニスコートがあり、観客席や照明灯、熱中症対策のミストも完備された本格的な施設です。

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スポーツ推進課 課長 矢ヶ崎さん

「福生市では、2020年現在『する・みる・支える』といった理念に基づき、スポーツ振興を進めています。」そう語り始めたのはスポーツ推進課 課長の矢ヶ崎(やがさき)さん。

矢ヶ崎「『する』というのは、スポーツの場を創出することで直接スポーツを楽しんでいただくこと。『みる』というのはプロ選手をお招きした大会や教室などでスポーツを観て親しんでいただくこと。『支える』というのはスポーツ施設の維持管理を行うことで、身近にあるスポーツの場の整備を推進していくことです。こうした理念を実現する場の一つがこの競技場なんです。」

土埃が舞う競技場を、安心して使える人工芝の競技場へ。

 今では福生市のスポーツ文化の拠点となっている競技場ですが、以前は土埃がひどく、近隣住民から苦情さえあった場所でした。しかしスポーツくじ(toto・BIG)の助成金を活用して生まれ変わります。

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矢ヶ崎「元々、福生市営競技場は、土のグラウンドでできた競技場でした。吹きさらしですし、河川敷に近く強風が吹きやすい環境です。風が吹くと大量の土埃が競技場のすぐ隣にある民家の方に飛んでしまうため『なんとかしてほしい』というお声をたくさんいただいていました。
 もちろんグラウンド整備を徹底するなどの対策は行っていましたが、限界があります。土埃を防ぐためには技術的な対策を行う必要があるのではないのかという話になり、スポーツくじの助成金を活用してグラウンドを人工芝にすることに決めたんです。」
人工芝であれば土埃が舞うこともなく、雨が降った後も乾きやすくなります。また手入れがしやすく転んでもケガをしにくいことから、多くのスポーツ施設で使われています。

矢ヶ崎「全面的に人工芝を敷き詰めることで、なるべく土埃が飛ばないように配慮しました。さらに熱中症対策としてミスト噴射装置も配置しました。結果として土埃を大きく防げるようになり、地元の方に好評です。また、土のグラウンドの時は、雨が降ると乾くまで何日も待つ必要がありましたが、今はそんなことはありません。
 さらには、スポーツくじの助成金を活用して、トラックの整備も行いました。より便利に、より安全にスポーツを楽しめる施設にしたいという想いから、100mのトラックは水はけがよく雨の日でも使える全天候型舗装を採用しました。雨で濡れている時でも、トラックのコンディションが安定し、安全にパフォーマンスを発揮できるようになりました。」

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スポーツ推進係 長浜さん

スポーツ推進係 長浜さんも以前のグラウンド整備の大変さを語ります。
長浜「整備の手間と時間が大きく減りました。前は広大な敷地をスポーツトラクターで頻繁にならしていましたが、今では年に一回程度、人工芝の保守を業者に委託するくらいで済みます。
 土のグラウンドだった頃は、試合前にまずは白線でラインを引いて、試合中は土埃対策でスプリンクラーを回して、そして試合後は整備をして…といった作業が必要でした。でも環境が整ったことで作業の手間が減って、気軽に利用できる施設になったと思います。」

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新しくなった競技場は、サッカーをはじめ、陸上競技、アルティメット(フライングディスクを用いた7人制の団体競技)、ソフトボール、ゲートボールなど様々な競技を楽しむ場として幅広い年齢層の方々に利用されています。

矢ヶ崎「平日の朝には個人利用のランナーの方、平日の夜には少年サッカーチームやサークル団体、土日はスポーツレクリエーションの活動を推進しているNPO法人や団体の方のご利用が多いですね。西多摩地域初の人工芝の公設競技場ということもあり、評判が口コミで広がり他の地域の方々にも使われるようになりました。福生市民の方が、別の自治体の方に『私たちのホームには人工芝のグラウンドがあるんだよ』とアピールしてくれているケースもあるみたいです。」

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スポーツ推進係 主事 関岡さん

スポーツ推進係 主事 関岡さんにも発見があったようです。
関岡「トラックを全天候型の走路にしたことで、個人の利用者様が増えたと思います。陸上競技を100メートルの直線で走れて、なおかつ8:30〜21:30まで雨の日も利用できる施設は少ないですよね。実際に『照明もあるし、なかなかこの時間帯までやっているところが少ないので良いわね』と利用者様からお声をいただいたことがあります。
 またサッカーコートを使う年齢層の幅が広がり、お子様や学生などの若年層だけではなく、年配の方のサッカーチームに使われることが増えてきたように感じます。人工芝であればケガもしにくいし汚れにくくなるからではないでしょうか。」

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スポーツ推進係 係長 菊地さんも今回のリニューアルは大きな意味を持つものだと語ります。
菊地「市内にスポーツ施設は17箇所と多いのですが、全ての施設をきちんと整備できているわけではないんです。人工芝で色々なスポーツができるというのはこの地区でかなり珍しい環境ですので、この競技場が福生市としてもある意味象徴的な施設になるのかなと思います。

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スポーツ推進係 係長 菊地さん

 市民にとっても快く活動できる場になりますし、地元自慢と言いますか『福生市にはこういう場所があるんだよ』と周りに話すことで福生市の認知度も価値も上がるのではないかと思います。市民の皆様はもちろんですが、市外の人にもぜひ大会や試合の時に使ってほしいですね。」
新しくなった市営競技場から、新しい使い方も生まれはじめています。福生市では2010年度からブラインドサッカーのリーグを開催していますが、その会場候補として名前が挙がりました。ブラインドサッカーとは、視覚に障がいのある選手が行う、いわゆる「見えないサッカー」。ボールに内蔵された鈴の音と周りの声を頼りに行う5人制サッカーのことです。

矢ヶ崎「今までは他の場所で開催されていましたが、今後はブラインドサッカーのリーグ戦の会場として、市営競技場を使うことになりそうです。今までここは市民の皆さんが競技を『する』場所にとどまっていたのですが、今度は『みて』いただくための場につなげていきたいです。」

リニューアルにあたり、市内の企業とのつながりも広がっています。

矢ヶ崎「2020年度から市内にあるネッツトヨタ多摩株式会社様がネーミングライツ・パートナーとなり、愛称が『ネッツ多摩S&Dフィールド』に決まりました。公設公営というのが当たり前だった中で、ネーミングライツの取り組みは初めての試みです。福生市だけ、個人だけで何かをやるというわけではなくて、企業も含めて、皆様の力を取り入れた活動をやっていかなくてはいけないと思います。これがいわゆる新しい『協働』の一つの形態じゃないでしょうか。ある意味この競技場が福生市の協働の皮切りになればいいと思うんです。」

福生市スポーツ文化のある意味ターニングポイントともなり得る福生市営競技場。令和の時代に一新したこの競技場が、新たな道を切り拓いていくことでしょう。

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(当記事は2020年12月に新型コロナウイルス感染症対策を行った上で取材・撮影を行いました。)

アンケートにご協力ください。

Q1

本記事を読んで、スポーツくじ(toto・BIG)の収益が、日本のスポーツに役立てられていることを理解できましたか?

とても理解できた
なんとなく理解できた
理解できなかった
Q2

スポーツくじ(toto・BIG)の取り組みに共感できましたか?

とても共感できた
なんとなく共感できた
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