インタビュー

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インタビュー

華麗なひねりが新しい世界を見せる!体操ニッポンを担う、白井健三

白井健三。未来への跳躍。

赤ちゃんから高校生まで、様々なシチュエーションで体操を行うたくさんの若い世代。子どもたちはtotoの助成に支えられながら、真剣に競技に取り組んでいます。世界を舞台に戦っている白井健三選手も、背景にあるものは同じです。幼い頃から努力を積み重ねてきたからこそ、ここまで成長することができ、今がある。白井選手の成長は、これからも続きます。

新しい技は、自分が精一杯の演技をしたときに現れるもの

――白井選手はいつから体操を始めたのでしょうか?

自分ではあまり覚えていないのですが、父の経営している体操クラブで、父と2人の兄の影響で3歳くらいから始めていたそうです。父に教わっていたと言うよりは、仲間と一緒にトランポリンや床などで好きなようにひねりなどをやっていく中で、楽しみながら体操を覚えていったという感じです。

男子の体操は6種目ありますが、どの種目も楽しいことが魅力です。練習していても、毎日何かしら新しい発見があるのでやりがいがあります。他の体操選手とは競い合うだけでなく、仲間意識がすごく強く、良いスポーツだと思います。

――2013年10月、高校2年生で出場した世界選手権で、跳馬では後に「シライ/キムヒフン」と命名された新技「伸身ユルチェンコ3回ひねり」を披露して4位に入賞。そして床運動では「シライ」と「シライ2」と自身の名前が付いた「後方伸身宙返り4回ひねり」と「前方伸身宙返り3回ひねり」をそれぞれ演じて優勝しました。

十分に練習を積んできたので、絶対に失敗しないという自信を持って演技できました。まだ若いので「失敗しても次がある」と思えば緊張もあまりしませんし、自分ができる技をどんどんやって攻めていこうという気持ちで演技していました。大会の度に構成を変えたことも良い結果につながっています。

――3つの新技を大舞台で決めて、日本では「ひねり王子」、海外では「ミスターツイスト」と呼ばれましたね。

新しい技は、試合でやろうと意識して狙っているわけではなく、自分が精一杯の演技をした時に自然にできるものだと思っています。それぞれの技は練習で中学生の時からやっていましたし、いつかは試合でも出せるだろうと思っていました。

そういった技のニックネームや名前を通して、白井という僕の名を覚えてもらえるならそれもいいと思っていますし、今後も技を磨いていきたいです。ただ、2013年に世界選手権で床運動と跳馬で決勝に残ったこともあり、この2種目のスペシャリストと思われているところがあります。日本の体操選手は伝統的に6種目オールラウンダーを目指しますから、床運動と跳馬以外の4種目(つり輪・あん馬・鉄棒・平行棒)も全部強くなって、早くそのイメージから抜け出したいですね。

――2014年5月の全日本選手権では個人総合で16位、6月のNHK杯は15位でした。8月のインターハイでは個人総合で2位、全日本ジュニアでは、ついに初優勝しました。

床運動と跳馬以外の4種目の課題を見つけて、オールラウンダーを目指した練習をしてきたことが結果に結びついてきたと思います。今まで個人総合で優勝できていなかったので、全日本ジュニアの優勝は素直にうれしかったです。

――7月の全日本種目別選手権で床運動2連覇を達成し、2014年10月3日~12日まで中国・南寧で行われる世界選手権の日本代表に選出されました。ディフェンディングチャンピオンとして出場する床運動では2連覇がかかっています。

2013年は点数や順位などを気にせず演技することができました。ですから、2014年も同じような気持ちで臨んで、自分の演技ができたらいいと考えています。世界選手権は、まず団体戦が中心になってくるので、前大会の床運動と跳馬のファイナリストとして迷惑をかけないように、しっかりと演技したいと思います。それが個人の演技にもつながると考えています。(内村)航平さんからも「団体の決勝は3人で6種目、18演技がそろえば、自然と結果がついてくる」と言われているので、それに少しでも貢献できればと思っています。少し不思議な感じですが、今回の世界選手権が高校生活最後の大会になります。高校生で2度も世界選手権に出場できることに感謝したいですし、悔いのない演技がしたいですね。

先輩たちとチームとして戦えるのが楽しみ

――内村選手をはじめ、日本代表の他の選手(野々村笙吾、加藤凌平、亀山耕平、田中佑典)は大学生や社会人ですべて年上です。緊張することはありませんか?

良い人ばかりなので緊張はしませんね。チームとして6人が同じ目標を持って世界選手権に臨めると思います。航平さんは、体操においても生活面においてもキャプテンらしく、頼りがいのある選手です。小さい頃からずっと憧れの選手ですし、勝ちたいというより、少しでも点差を縮めて近づきたいと思っています。

(加藤)凌平さんはオールラウンダーとして安定した選手ですし、そんな先輩たちとチームとして一緒に世界選手権で戦うのが楽しみです!

――周りにたくさんライバルがいるということですね?

体操をやっている選手同士は、ライバルの前に仲間だと思っていますし、各々が上手くなっていくことがうれしいです。父の体操クラブで一緒に練習している神奈川県立岸根高校のメンバーと出場した8月のインターハイの団体では、予選は5位でしたが、それぞれが自分の演技を楽しもうと話し合って臨んだ結果、3位になることができて、本当に良い経験になりました。一緒に練習している小中学生も先輩たちの演技や技術を見習って、どんどん上達して欲しいですね!来年は大学生になるので練習場所が変わるなど、いろいろ環境に変化がありますが、今まで通り体操に集中して、2015年以降も日本代表に選出されるようにがんばっていきたいと思います。

――高校3年生ですが、勉強と競技の両立は大変ではないですか?

日本代表の合宿や遠征で大変なときもありますが、自分なりにがんばっていると思います。数学は苦手で、地理歴史などの暗記系の科目が得意です。英語はずっと勉強していますから、世界選手権で外国の選手とたくさん話ができればいいなと思っています。

――大会が続きますが、どうやってリラックスしていますか?

基本的に食べることが好きなので、部活のメンバーと話しながら昼食を食べたりすることがリラックスになっています。お菓子は何でも好きで、最近はプリンなどの食後のデザートにはまっています。漫画を読んだり、映画を見ることもありますが、最近は忙しくてなかなかできませんね。

結果を出すことで、totoの助成の意義が明確になる

――2年後の2016年にブラジルでリオデジャネイロ五輪、さらに2020年は、日本で開催される東京五輪が控えています。

大学2年生で迎えるリオデジャネイロ五輪は、まず出場すること、そして団体でメダルを獲ることを目標としています。オリンピックに出場することができたら、団体ではどの種目でも頼りにされる選手になっていたいです。
2020年の東京五輪のことは、たまに考えることはありますが、とても先のことですし、今は世界選手権のことで頭が一杯です。だから、一年一年、精一杯がんばって東京五輪を最も良い状態で迎えられればいいと思っています。

――アスリートとしての目標は何でしょうか?

今、一番大きな目標は、世界選手権の団体戦で金メダルを獲ることですね。そして、アスリートとしての夢は、東京五輪に出場し、オールラウンダーとして活躍することです!

――totoの助成金が、体操のジュニア育成や日本代表選手の強化、国内で行われる国際大会の運営に役立てられています。体操を含め、さまざまなスポーツを支援してくれている方々へのメッセージをお願いします。

日本代表選手としてその責任を噛みしめ、世界選手権やオリンピックで活躍していきたいです。また、自分が結果を出すことでtoto助成の意義が明確になると思っています。体操ニッポンへの応援、いつもありがとうございます。これからも世界の舞台で活躍できるようにがんばりますので、ご支援、ご声援をよろしくお願いします!

(2014年8月 鶴見ジュニア体操クラブにて)

白井 健三しらい けんぞう

1996年8月24日、神奈川県生まれ。2人の兄の影響で3歳から体操を始める。2011年、中学3年時に全日本選手権の床運動で2位に入賞。2013年、全日本種目別の床運動で優勝。2013年世界体操選手権、床運動で優勝。2014年全日本種目別の床運動で2連覇を達成し、2014年の世界選手権日本代表に選出。

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