インタビュー

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心を一つにつかんだ銀メダル 栄光に続くチームビルディングとは(3/3)

女子バスケットボール 髙田真希選手

伝えていきたい競技の魅力、将来的には「一家に一つバスケットボール」を

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 笑顔にはもう1つ、理由がある。オリンピック開催前、世間には金メダルという目標に対して懐疑的な見方が多かった。

「4月からチームを作る中で怪我人も多かったですし、コロナ禍で1年延期になり引退した選手もいて、見てくださる方からの不安の声も耳に入ってきました。正直、自分自身にも不安な気持ちはありましたが、今いるメンバーでしっかりやれば結果を出せると信じていましたし、証明したかった。それがモチベーションにもなりました」

 予想を覆す結果を残し、「気持ちよかったです。やり終えた後は充実感でいっぱいでした」。そう言って見せた笑顔には、一つになって戦ったチームを誇る気持ちも浮かぶ。

 オリンピック閉幕後はメディア出演の機会が増え、忙しい日々を過ごす。Wリーグ開幕前の大事な時期でも多くの出演依頼を受けたが、一つ一つ丁寧に応じる。そこにあるのは、オリンピックで高まった女子バスケットボールに対する関心を継続させたいという強い願いだ。

「アスリートとしてプレーで魅せていくのは最低限必要なこと。それ以外でどうやって人を惹きつけられるのか。オリンピックをきっかけにたくさんの方に知っていただきましたが、メディアに取り上げていただくことでバスケットボールを見ない方にも知っていただける。『こんな選手がいるんだ。試合を見に行ってみたいな』と思ってもらえるような立ち居振る舞いを心掛けています。試合でもファンの方に手を振るだけで『また来たい』と思ってもらえるかもしれない。いいパフォーマンスを見せる以外にも、個人で何ができるか。それが今後は大切になると思います」

 バスケットボールの魅力は「シュートが入った時の喜びだったり、スピード感や攻守の切り替えの速さ」にあるという。競技の魅力をより多くの人に伝えるため、2020年には株式会社TRUE HOPEを立ち上げた。オンラインサロンを開設したり、オンラインイベントで中高生選手と繋がったり、地道な活動を続ける。だからこそ、スポーツくじ(toto・BIG)の助成金が次世代を担う有望選手の発掘・育成、バスケットゴールの設置といった地域のスポーツ施設の整備や地域におけるスポーツ教室・大会の開催など、広く日本のスポーツ界を支えるために活用されていることを喜ぶ。

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「スポーツを身近に感じてほしいですし、身近にあることが競技力の向上にも繋がると思います。バスケットボールでいえばアメリカでは色々な場所にバスケットゴールがあって、競技としてやる人も趣味としてやる人もいる。そういう環境って大切ですよね。スポーツは勇気や希望を届けたり、人々を魅了する力があります。また、スポーツを通じて学べることも多く、一般社会に出てから生かせることもある。私自身、まだまだスポーツやバスケットボールに魅了されているからこそ続けているんだと思います」

 スポーツの中でも大好きなバスケットボールを身近に感じてもらうため、髙田選手には取り組みたいプロジェクトがあるという。その名も「一家に一つバスケットボール」計画だ。

「競技としてやるかやらないかは別として、日常生活の中にバスケットボールを置いてもらいたいなと。ボールで遊んだり触れたりするだけでいい。それが競技人口の増加に繋がると思っているので、バスケットボールがある家庭を増やしたいですね。そのためにTRUE HOPEでの収益からプレゼントできる形を作っていきたいと思います」

 20年後、競技を始めたきっかけは「家にボールがあったので」と語る代表選手が誕生したら……。太陽も目がくらむような笑顔で喜ぶ髙田選手の顔が目に浮かぶ。

(リモートでの取材を実施)

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髙田 真希たかだ まき

 1989年8月23日、愛知県生まれ。小学5年生の頃からバスケットボールを始め、中学までは空手と両立。空手も全国大会で優勝するほどの実力者だった。バスケットボールの強豪でもある愛知県・桜花学園高等学校に進学すると同時に競技を一本化。3年時はエースとして全国高等学校総合体育大会(インターハイ)、国民体育大会、全国高等学校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)の3冠を達成した。2008年にデンソーアイリスに加入し、ルーキーシーズンから28試合に出場して新人王を獲得。2009年に日本代表チームに初選出される。ゴール下の攻撃や守備を担うセンターとして活躍し、2016年リオデジャネイロオリンピックではベスト8進出に貢献。2018年から日本代表主将となり、その翌年にアジアカップ4連覇を達成すると、2021年の東京オリンピックでは銀メダルを獲得した。株式会社TRUE HOPEの社長として、競技の普及にも努める。

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