インタビュー
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成長を支えた“書く力” 日記と陸上ノートで向き合った自分との日々
陸上 田中希実選手
小学3年生ではまった読書&日記が競技生活のプラスに
ノートを開き、ペンを走らせる。毎晩、日記を通じて自分と向き合うのが、田中希実選手の日課だ。女子の1000メートル、1500メートル、3000メートルの3種目で日本記録を持つ陸上選手。小学3年生の頃、クラスでお気に入りの本を紹介することで読書にはまっていった。今でもその趣味は変わらない。
7月にアメリカ・オレゴン州で行われた第18回世界陸上競技選手権大会には、800メートル、1500メートル、5000メートルに挑戦。個人3種目の出場は日本人初だった。身も心も過酷な競技生活。「トラックの外でもやっぱり陸上のことを考えてしまう」。リフレッシュのため、本の世界に飛び込んだ。
「何か没頭できるものを見つけるのが一番大事。最近、やっと読書ができています。ゆっくり1時間以上読むのは、半年から1年くらいできていなかったと思います」
好きなジャンルは児童文学。だが、最近では「読書についての本」と映画プロデューサー・鈴木敏夫氏の読書感にも触れた。「読書について見直すようになっていますね」と新たな刺激になっている。
読書にはまった小学3年生の頃、日記を始めた。兵庫県立西脇工業高等学校在学中は、陸上部員の練習日誌として練習メニューやデータ、食べた物を記録して提出。同志社大学に進学以降は、練習日誌と日記を書き分け、今も続けている。
「自分の状態を知ったり、整理したりするバロメーターになると思います。高校時代の練習日誌は課題と目標を書くやり方。先生など誰かが読むことを想定していました。今は練習内容を書き留めるだけ。日記は本当に自分と向き合ったものですね。周りの人が読んだら引くようなことも書いています(笑)。書きながら自分でも面白くなってくる。自分の精神状態も分かるし、ストレスのはけ口のようでいいと思います」
笑いながら日記に記した内容を紹介してくれた田中選手。たまに目が止まったところをさらっと読み返すと、当時の悩みもちっぽけに感じる。
「大概のことは過ぎたらどうでもよくなっているんだなって。その時はネガティブなことをぶつけているんですけど、あとで読み返したら『こんなに(大きく)落ち込んでいたんだ』と冷めた目になります。なので、感情をぶつける時もどこか冷静な自分がいますね」
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