インタビュー

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文化として根付く「リスペクト」 金メダリストも重視する「自分流」(2/2)

スケートボードで大切なのは「自分だけのスタイル」

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 堀米選手の活躍をはじめ、東京オリンピックでは女子パーク金メダリストの西矢椛(もみじ)選手ら10代アスリートが席巻したスケートボード。大会では選手たちが年齢や出身地などに囚われず、誰でも素晴らしい技を決めれば自分のことのように喜び称え合う姿が、「真のスポーツマンシップ」と大きな話題になった。

「スケートボードはライバルであっても、結局みんな仲間。ヤバイ技を決めたら素直にすごいなと思うし、お互いにリスペクトを持っているスポーツだと思います。競技として順位を決めることも大切ですが、お互いをリスペクトする気持ちは忘れずにいられたら嬉しいですね」

 こういった価値観は誰に教えられたものではなく、スケートボード界では“当然”とされる文化の一つ。その背景には、音楽やファッションと並ぶ“ストリートカルチャー”の一部として発展してきた歴史も大きく影響している。

 競技としての側面は後から備わったもので、大切なのは「自分だけのスタイル」を持つこと。ビデオパートと呼ばれる映像作品を作ることに力を入れる人もいれば、大会での活躍を目指す人もいる。「スケートボードは自由なもの。スポーツだけどスポーツではない部分もあって、アメリカではお年寄りが朝のトレーニングとして滑っていたり、海沿いをプッシュ(足で地面を蹴ってスケボーで進む動作)して走っている人がいたり、色々な楽しみ方がある。自分がどうしたいか、それが大事だと思います」

 堀米選手が選んだのは、大会出場とビデオパート制作を両立させる道。「両方やるのはすごく難しい」とは言うが、子どもの頃に夢中で観たビデオで憧れたスケーターたちは、軒並み大会でも強かった。完璧に設計されたコースを制する強さ、街の風景を自由に切り取りスケートボードで乗りこなす創造力の共存。「大会でも勝って、かっこいい映像を残せるのが理想的ですね」と目を輝かせる。

 オリジナリティーを追究しながら、実現させたい想いもある。それは日本でもアメリカのように老若男女を問わず、全ての人々がスケートボードに親しめる環境が整うことだ。将来的には「自転車」のような身近な存在になればいいと思う。

「道路に自転車レーンがあるように、スケボーレーンができるくらい普通になったらいいですね。まだまだ認められていない部分も多いですが、少しずつでも」

 大好きなスケートボードが日本でさらに普及するよう、自らの滑りを通してアピールし続けていく。

(リモートでの取材を実施)

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堀米 雄斗ほりごめ ゆうと

1999年1月7日、東京都生まれ。スケートボーダーだった父の影響を受け、幼い頃からスケートボードが日常にある生活を送る。6歳から本格的にスケートボードを始め、高さ3メートルあるランプを滑るバーチカルで実力をつける。小学校高学年~中学生頃にかけてストリートもはじめ、国内外の大会に出場。中学3年生の時には日本スケートボード協会が主催するDC CUPストリートと全日本バーチカル選手権で優勝した。高校卒業後に拠点をアメリカに移してから、才能が飛躍的に開花。2018年にSTREET LEAGUE SKATEBOARDINGロンドン大会で日本人初優勝を飾ると、翌年にアメリカで行われたX Gamesでも日本人初優勝。2021年には東京オリンピック男子ストリートで金メダルを手に入れた。

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