インタビュー

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銀メダリストが語るパラスポーツの価値 選手の「レジリエンス」とは(2/2)

パラ競泳 富田宇宙選手

日本に浸透させたい「スポーツは文化」の意識

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 パラスポーツが持つ価値を伝える前に、日本でまず取り掛かるべきことがあるという。それは「スポーツは文化」であるという認識を浸透させることだ。

「日本のスポーツはしばしば体育として捉えられています。ですが、実際にはスポーツは文化的活動であり、学術的にも健康、教育、コミュニケーション、芸術などの要素を核に様々な価値が認められています。つまり、スポーツは幸せになるためにやるものなんです。観る人も勝った負けたばかりにこだわるのではなく、競争そのものや選手の在り方から刺激をもらおうとすることで多くを感じ、学ぶことができる。スポーツ本来の価値を浸透させ、スポーツをする人、観る人の意識を改めた上でパラスポーツが持つ価値が伝えられれば、パラスポーツは自然に経済的自立と発展を実現できると思います」

 スポーツは文化だと浸透させる上でも、国際大会の開催や次世代アスリートの発掘・育成、地域のスポーツ施設の整備まで幅広く、日本のスポーツを支えるためにスポーツくじの助成金が活用される仕組みは「今の日本ではとても重要」だと話す。

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「僕が活動するスペインではスポーツビジネスが発展しているので、例えばサッカーチームが出資して地域に総合スポーツ施設を作り、水泳など他のスポーツを推進する役割を果たしています。僕の所属チームでは、リハビリテーションとして泳ぐ重度の障がいを持つ子どもからオリンピックを目指す選手まで、本当に多様な人々が一緒に活動している。スポーツを通じた地域の繋がりが生まれているわけです。スポーツビジネスが発展し切れていない日本では、スポーツくじという形でスポーツを応援する人たちから集まった支援を地域に還元する形がとても重要。今後もこういう取り組みは推進していくべきだと思います」

 自分がスポーツと触れ合うことで幸せや生きがいを感じてきたからこそ、その価値を知ってもらいたい。そんな想いを抱きながら、競技を通じて自身を磨き、講演会、研究、執筆、SNSなど様々な角度からアウトプットし続ける。

(当記事は2022年9月に新型コロナウイルス感染症対策を行った上で取材・撮影を行いました。)

※スポーツくじの収益は、グラウンドの芝生化をはじめとしたスポーツ施設の整備、地域のスポーツ大会・教室の開催や未来のトップアスリートの発掘・育成など、日本のスポーツ振興のために役立てられています。

スポーツくじって何? スポーツくじは、アスリートやスポーツの未来を育てる仕組みです。 もっと、みんなが使えるグラウンドを整備するには? もっと、スポーツ大会や教室に参加できる機会を増やすためには? もっと、スポーツで世界をめざすチャンスを増やすためには? 「くじを買う」はエールになる。

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富田 宇宙とみた うちゅう

1989年2月28日、熊本県生まれ。EY Japan所属。3歳から水泳を始め、高校でも水泳部に入部したが、2年生の時に徐々に視野が狭くなる網膜色素変性症を発症。3年生で目標の九州大会出場を果たし、水泳に一区切りつける。大学進学後は競技ダンスに打ち込むが、障がいは進行。卒業後の2012年にパラ競泳と出会い、6年ぶりにプールへ戻った。2015年に日本身体障がい者水泳連盟(現 日本パラ水泳連盟)の強化選手となり、パラアスリートとしての活動に専念。2017年から視覚障がいの最も重いS11クラスに変更となり、以来同クラスでは世界トップを争っている。東京2020パラリンピック競技大会では100メートルバタフライと400メートル自由形で銀メダル、200メートル個人メドレーで銅メダルを獲得。ブラインドダンサーとしても活躍する。

■スポーツくじって何? アスリートのためになる?
 スポーツくじの仕組みをもっと知りたい方は動画をチェック!

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