インタビュー

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氷上で美しく力強い輝きを放つために 世界女王が考える“自分らしさ”

フィギュアスケート 坂本花織選手

ジャンプを個性とする過程にあった中野コーチの存在

「もっと早くショートにすれば良かったのにって言われるんですよ」

 そう言いながら、嬉しそうに目を細めるのはフィギュアスケートの坂本花織選手だ。2022年の世界フィギュアスケート選手権大会で初優勝した直後にショートヘアにイメージチェンジ。まとめやすいロングヘアが主流の中、世界女王のショートヘアは新鮮で、スタイリッシュで凛とした大人の魅力が「個性」として光る。

 競技性と芸術性を併せ持つフィギュアスケートは、スケーティング技術や表現力はもちろん、選曲、振付、衣装など、あらゆる角度から「自分らしさ」を作り上げるスポーツでもある。坂本選手は自身のどのような点を「自分らしさ」と捉えているのだろうか。

「昔から表現で見せるのはどちらかというと苦手な方だったので、得意なジャンプで点数を稼ごうと考えていました。ノービスやジュニアの時からジャンプだけは誰にも負けないように練習していたら、どんどんジャンプに迫力が出てきて(笑)。大会の解説でよく『迫力あるジャンプ』『男子顔負け』と言っていただけるので、そのくらいジャンプのイメージが強く持たれている。それこそ私の個性だと思うので、これからも大切にしていきたいと考えています」

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 2017-18シーズンにシニアに転向し、今季で6シーズン目。北京オリンピックで使った「Now We Are Free」や「No More Fight Left In Me」のように「『この曲と言えばカオちゃんよね』と言われることもあるので、だいぶ観る人の心に強く印象に残るようなプログラムをできているのかなと嬉しくなりますし、やり甲斐を感じます」と手応えを感じている。

 坂本選手がフィギュアスケートを始めた4歳の時から現在に至るまで、自分らしさを磨き上げ、世界の頂点に立つ過程を支えてきたのが、神戸フィギュアスケートクラブの中野園子コーチだ。

「私のスケート人生において本当に必要不可欠、なくてはならない存在です。中野先生が同行しないことが多いアイスショーの期間はわかりやすく調子が落ちますね。だから、調子を上げたい時は中野先生にすがりつきます(笑)」

 初めてスケート靴を履いた時から見続けてきてくれた中野コーチは「私のジャンプの正解を知っている。自分の感覚だけではわからない部分を、外からどう見えているか教えてもらうことで、調子を取り戻せていけます」と全幅の信頼を寄せる。大会本番で氷上へ向かう最後の瞬間に声を掛けてくれるのも中野コーチ。「私より私のことをわかっているんじゃないかな」と笑う。

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