坂本選手が生まれ育った兵庫県・神戸はフィギュアスケートが盛んな地域でもある。スケートリンクに練習に行けば、老若男女を問わず、想い想いにフィギュアスケートを楽しむ様子が目に飛び込んでくる。

「オリンピック開催後には人の数も増えましたし、スポーツとしてのフィギュアスケートがどんどん盛んになっているなと。フィギュアスケートは現役選手はもちろん、年配の方でも毎日滑りに来られる方がいるくらい、年齢を問わずに楽しめるものなので、気軽に親しめる環境があるのは本当にいいことだと思います」

　スポーツは人の身体や心を豊かにすると同時に、人生に彩りを添えるもの。多くの人々がスポーツをより身近に親しめる環境を支えるために、スポーツくじの収益はトップアスリートの活動だけでなく、次世代アスリートの発掘・育成、地域のスポーツ大会・教室の開催や施設の整備など、幅広く役立てられている。

　坂本選手がフィギュアスケートを始めたきっかけは、テレビドラマの登場人物が楽しそうに滑る姿に心奪われたから。「スケートは自分からやりたいと言って始めました」。興味を持ったスポーツにすぐ挑戦できる環境が身近にあったからこそ、世界トップとして活躍する今がある。

　フィギュアスケートを始めてから今年で20年目を迎えるが、これまで一度もやめたいと思ったことはないという。そこまで惹かれる競技の魅力とは何なのか。

「自分からやりたいと言って、好きで続けていたら、ここまで来た感じですね。1年ごとに新しい曲に挑戦して、慣れて自分のものになるまで練習して、頑張った結果として試合で勝てて……。この流れが快感というか、やめられません（笑）。また次、また次、と求めていくと、アッという間に時間が過ぎてしまう。その繰り返しです」

　好きと言い続けられる競技に出会ったことに幸せを感じるという坂本選手は「フィギュアスケートをやりたいと言った4歳の自分を褒めたいです！」と笑う。

「スケートなしの人生なんて考えられないですね。『4歳の自分すごい！　よくぞ言った』って思います」

　銀盤で自分らしさを詰め込んだ演技を披露しながら、大好きなフィギュアスケートの魅力を伝え続けていく。

（当記事は2023年1月に新型コロナウイルス感染症対策を行った上で取材・撮影を行いました。）

※スポーツくじの収益は、グラウンドの芝生化をはじめとしたスポーツ施設の整備、地域のスポーツ大会・教室の開催や未来のトップアスリートの発掘・育成など、日本のスポーツ振興のために役立てられています。