トップアスリート×47都道府県

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その他

トップアスリート×47都道府県(秋田) スキー 小林範仁

「最高のスキー人生」 故郷・秋田に感謝し第2のステージへ。

良きライバルに恵まれ練習に明け暮れた日々

スキーを始めたのは2歳のころ。冬の遊びと言えばスキー、というのが自然の成り行きでした。12歳の時、リレハンメル五輪で荻原健司さんが日の丸を振ってゴールする映像に衝撃を受けました。「自分もオリンピックに出て金メダルを取るんだ」と心に決め、真剣に競技と向き合うようになりました。
高校卒業までを過ごした秋田は、今思うと全国的にも恵まれた練習環境でした。中学時代には、地元近くの花輪スキー場にジャンプ台が整備され、夏場も飛べるように。国体開催に向けた選手強化も進んでいた時期で、2学年上には高橋大斗さんや畠山陽輔さん、2学年下に湊祐介(いずれも五輪出場選手)などがいました。良きライバルと競い合う中で、鍛えられた面も大きかったと思います。

大舞台で満足の結果 地元国体で恩返しも

28歳で引退しましたが、本当に最高のスキー人生でした。4年に1度の大舞台に狙いを定めてトレーニングを積み、満足のいく結果を残すことができました。海外転戦が多かったのですが、最後のシーズンには鹿角国体に出場し、お世話になった人たちに自分の滑りを生で見てもらうこともできました。少しは恩返しにもなったのかな。現役生活に悔いは一つもありません。
だからこそ、きっぱりやめることができたんです。引退後は、慣れ親しんだスキーの世界を離れ、全く別のフィールドで自分の可能性を広げたい、と思いました。
飛び込んだ先はテレビ業界。東京で営業を経験した後、今年2月から秋田市の本社で働いています。引っ越してきてすぐ、県内のスキー場をいくつか回りましたが、スキー人口が減っているのを肌で感じました。これは何かしなくちゃいけない、と思いましたね。
例えば、秋田は「スポーツ立県」を宣言しているし、鹿角市では「スキーと駅伝のまち『にぎわい創出』プロジェクト」が動き出そうとしています。自分の役割はまず、こうした場に積極的に関わり、環境整備の面から競技者と指導者をサポートしていくことだと思っています。そしてテレビマンとしても、みんなで外に出てスポーツを楽しめるようなイベントを企画してみたいです。スキーで培った体力と精神力、それに人脈も総動員して、秋田のスポーツシーンを盛り上げていきたいですね。

小林 範仁こばやし のりひと

1982年5月4日生まれ。北秋田市出身。ノルディック複合で五輪3大会連続出場。世界選手権団体優勝に貢献するなど日本のエースとして一時代を築いた。昨年3月に引退。秋田市在住。

秋田県内のtoto助成事例

楽しみながら健康づくり・仲間づくり

NPO法人 よこてスポーツクラブ総合型地域スポーツクラブ活動助成

5対5のゲーム形式でインディアカを楽しむ参加者たち

サブマネジャーの高橋さん

楽しみながら健康づくりを進める目的で活動している「よこてスポーツクラブ」(鎌田耕治理事長)は、クラブの運営費にスポーツ振興くじ(toto)助成を活用。0歳から80代までの会員約180人が、親子リトミックやヨガ、ソフトテニスなど多彩な10以上の種目を楽しんでいる。

プログラムの多彩さが中高年層に人気

木曜開催の「健康教室」には50、60代の女性11人が参加。羽根の付いたボールを素手で打ち合う「インディアカ」など、毎回趣向を凝らしたプログラムで人気を集めている。指導に当たる同クラブ常勤サブマネジャーの高橋ゆかりさんは「何年経っても飽きずに続けられるよう、新しい種目も積極的に取り入れていきたい」と語る。
参加者の額には大粒の汗。ボールの行方に一喜一憂する顔はみな、笑顔にあふれている。同市朝倉町の佐藤エリ子さんは「運動が苦手でも関係なく楽しめるのがいい。体を動かして、笑って、汗をかいて…最高のストレス発散法、健康法です」と話していた。

誰でも気持ちよく使えるグラウンドに

大潟村多目的グラウンド地域スポーツ施設整備助成

青い空に天然芝の緑色が映える大潟村多目的グラウンド

芝の状態を確認する小林さん

1999年に設置された大潟村多目的グラウンド(約1万3千平方メートル)はこれまで、村内をはじめ周辺市町村のサッカーチームなどから幅広く利用されてきた。しかし、水はけの悪さや、逆に乾燥すると砂ぼこりが舞うなどの問題があり、周辺住宅街や隣接するグラウンドゴルフ場の利用者から改善を求める声が上がっていた。
そんな住民ニーズに応えて今回、スポーツ振興くじ(toto)助成を受ける形で天然芝生化が実現した。
「サッカーはもちろん、ラグビーのスポーツ少年団や村の総合型スポーツクラブ会員など、より多くの人に活用してもらいたい」と話すのは、村教育委員会の小林豊さん。来春の本格稼働を目指し、現在は芝の生育状況のチェックに余念がない。

ニーズに応える芝生化 本格稼働は来春

昨秋に苗を植えた芝は、越冬してようやく土に根付いてきた段階。梅雨や真夏の暑さを乗り越え、やがてはしっかりと根を張った丈夫な天然芝グラウンドへと育っていくはず。小林さんは「村のスポーツ人口増加につながるよう、大事に使っていきたい」と話した。