トップアスリート×47都道府県

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その他

トップアスリート×47都道府県(栃木) 水泳 萩野公介

納得できるレースで、支えてくれた人たちに恩返しがしたい。

泳げない経験を通し、泳げる大切さを学んだ。

オリンピックに出場するのは、小学生のころからの夢でした。多くの人たちの支えがあって今の自分がいます。世界の一番大きな舞台で自分の納得できる泳ぎをし、みなさんに恩返しができればと思っています。
個人メドレーは、いくら得意種目の調子が良くても苦手な種目が悪かったらトータルのタイムは伸びません。4種目すべてでコンスタントに良い調子を維持しなければならないので過酷ですが、それが醍醐味でもあります。
自分は高校3年と若いですし、これまで通りに前半から積極的に攻めていきたい。この前のレース(五輪代表選考会)は、最後の自由形でほかの選手に差を詰められてしまいました。この反省を踏まえ、最後の最後まで突き放すイメージで泳ぎ続けられれば、五輪でもいい結果が出せると思います。
これまでの競技生活を振り返ると、中学2年の時にひざの手術をして長期間泳げなかったことが一番苦しかった時期かもしれません。手術後6週目にようやく水の中で歩けるようになり、何とか泳げるようになったのは7、8週目。この時、リハビリのメニューを組んでもらうなど多くの人たちのお世話になり、「必ず復帰して恩返ししよう」と心に決めました。泳げないというつらい思いを初めて経験し、泳げることのありがたさ、大切さも学びました。

自分が結果を出せば、県内競技は強くなる。

みゆきがはらスイミングスクール(宇都宮市)の前田覚(まえだ・さとる)コーチには、小学3年の途中からずっと教えていただいています。何でも相談できる、だいぶ年上の部活の先輩といった感じです。手術後に「じっくり、焦らず」の方針で指導していただいたことが、今回の五輪出場という結果に結びついたと思っています。トレーナーや栄養士の方々にも指導していただき、本当にこれ以上にない環境でやらせてもらっています。
他県では50メートルプールが屋外にしかないところが多い中、栃木県は屋内の50メートルプール(小山市の県立温水プール館)があるのでありがたいですね。今後、自分がいい結果を出すことで、新たな施設を作っていただける可能性も出てくると思います。また、応援していただいているみなさんに「よし、俺もやってやるぞ」という気持ちになってもらえれば、競泳に限らず栃木県のスポーツ全般が強くなっていくのではないでしょうか。

萩野 公介はぎの こうすけ

小山市羽川小―作新中―作新学院高3年。2011年の世界ジュニア選手権200メートル個人メドレー優勝、ワールドカップ東京大会同種目で短水路日本新記録。身長175センチ、体重70キロ。

栃木県内のtoto助成事例

人工芝グラウンドの活動拠点整備

矢吹市・NPO法人 たかはら那須スポーツクラブ総合型地域スポーツクラブ活動助成

フットサルコート2面分の人工芝グラウンド


ドリブル練習を繰り返す子どもたち

関東サッカーリーグ1部所属で、日本フットボールリーグ(JFL)入りを目指す「ヴェルフェたかはら那須」を運営する「NPO法人たかはら那須スポーツクラブ」(大森崇由理事長)。雄大な高原山と那須岳を象徴として、クラブ運営を進めています。5月には、スポーツ振興くじ(toto)助成を受けて、矢板市内に活動拠点施設「ヴェルフェフィールド」を整備しました。
敷地面積約5千平方メートルのうち人工芝のグラウンドは2315平方メートル。フットサル用コート2面分を確保し、ナイター設備も整えました。
クラブの会員は現在約160人。トップチームのほか、中学校、小学校や女子などのチームが定期的にグラウンドで汗を流しています。また幼稚園、保育園児を対象としたキッズスクールも開催しています。
トップチームのメンバーで事務局も務める山本武則さんは「これまで練習場を求めてグラウンドを転々としてきました。拠点施設ができたのはチームにとって大きなプラス」と話し、「人工芝グラウンドを持っているクラブはそう多くないので、子どもたちもうれしいと思います」と目を細めています。

世代を超えフットサルで交流

鹿沼市・粟野総合運動公園フットサル専用コート地域スポーツ施設整備助成

ナイター照明の下フットサルで汗を流す市民

豊かな自然に囲まれたフットサルコート

「市民ひとり1スポーツ運動」を進める鹿沼市は、多くの市民にスポーツに親しんでもらおうと施設の整備を積極的に進めています。4月29日、スポーツ振興くじ(toto)助成を受けて、市内で2カ所目のフットサルコートが口粟野の「粟野総合運動公園」に完成しました。
全面人工芝で、芝面積は1260平方メートル、コートは縦38メートル、横20メートルと規格にも適合。ロングパイルの芝を採用し深さ3センチまでゴムチップが充填(じゅうてん)され、転倒時のケガを軽減できる点が特徴です。同市スポーツ振興課の湯澤紀之係長は、「粟野の運動公園は、豊かな自然環境に恵まれ、さわやかに汗を流すには最適」と言います。また照明も完備され夜9時まで利用可能になりました。
粟野地区は、元Jリーガー黒崎久志さんを輩出するなど、サッカーが盛んです。同市サッカー協会副会長で口粟野在住の北岡敏行さんは、「粟野にとって待望のコート。地域づくりは、まずスポーツからです。フットサルは世代間の差を気にせず気軽に楽しめますし、大いに役立てていきたいですね」と意欲満々でした。