トップアスリート×47都道府県
その他
トップアスリート×47都道府県(長崎) バスケットボール 小磯典子
プレーを楽しむことでいろいろな発想が身に付きました。
人間形成にかかわった二人の恩師との出会い
バスケットボールは人生のパートナー。自ら楽しむことでいろいろな発想が身に付きました。その結果、アトランタ、アテネと2度の五輪に日本代表として出場できました。しかし、五輪では、2メートル近い対戦相手に力、高さで勝てませんでした。日本が世界と勝負するにはスピード、技術など別の要素で戦うしかないと考え方を変えました。2つの五輪を目指す日々の生活が自分のプライドになりました。
小学4年の時、姉のバスケットボールをする姿にあこがれて始めました。深堀中時代、身長が急に伸び3年生の時には179センチに。その高さ、体力が目に留まったようで、日本一を目指す鶴鳴女子高校(現長崎女子高校)バスケットボール部・山崎純男監督にスカウトされました。練習は厳しかったですが、目標に向かうとは、人の期待に応えるとは、感謝するとは何かなど人間教育を受けたことが大きかったです。また、仲間の大切さも知りました。3年の時には、インターハイで念願の優勝も果たせました。
バスケの面白さを伝え 長崎国体盛り上げたい
山崎監督の教えは実業団に入ってからも、後輩に指導する時に役立ちました。また、もう一人、人間形成に深くかかわった人がいます。共同石油(当時)時代、技術顧問として入ってきた韓国人の金平鈺さん。練習は、まさに“マンツーマン”の指導でした。日本人の常識を超えた指導が面白く、自分が変わるのがわかりました。そして、習得したのがフックシュート。自分の代名詞にもなりました。
アテネ五輪後に一度引退しましたが、31歳で実業団に復帰しました。その後、結婚、出産のこともあり選手としては、第一線を退きましたが、2012年4月から、かつて自分を育てた長崎女子高に配置され、山崎監督とともに後輩の指導に当たっています。
自分のプレーする姿を見てもらい、すそ野が広がればと県内各地で子どもたちを集めた教室を開いています。伸び伸びプレーする楽しさ、バスケットボールの面白さを伝えたい。優勝を目指さなくてもいい。スポーツで体を動かすことは健全な精神の育成、心のためにもなります。目下、長崎国体に向けた盛り上げに取り組んでいます。
小磯 典子こいそ のりこ
旧姓浜口。長崎市出身。鶴鳴女高(現長崎女高)3年のインターハイで優勝。共同石油(現JX)入社後、1996年アトランタ、04年アテネ五輪に出場するなど長年、第一線で活躍。10年2月引退。
長崎県内のtoto助成事例
夜間照明、クラブハウスも完備
島原市営平成町人工芝グラウンド地域スポーツ施設整備助成
夜間照明も完備。暗くなっても伸び伸びプレーできる
サッカー少年たちの元気な声が響き渡る
総面積1万7176平方メートルの島原市営平成町人工芝グラウンド。柔らかい緑の芝の球技場にサッカー少年たちの元気な声が響き渡る。
スポーツ振興くじ(toto)助成を受け2012年3月に完成した。
中学の部活動でサッカーに励む息子の試合を観戦していた村山由記さん、増田次郎さんらは「地元に夜間照明設備ができ感謝している。子どもたちも喜んでプレーしている」と笑顔。<
14年の「長崎がんばらんば国体」のサッカー競技会場に指定されている。サッカーコート2面分、フットサルコートで8面分あり夜間照明も4カ所に完備。市民は格安料金で利用できる。併設のクラブハウス(木造2階建て一部鉄骨造り)には、トレーニングルームやシャワー室、ラウンジなども整備。240人を収容できる観客席には屋根も付き、雨天時の試合観戦も万全だ。
市長公室文化・スポーツ振興グループの谷川誠一副主任は、スポーツ少年団や中高生の部活動、一般サークルの活用が多く、市民の評価は高いという。島原港ターミナルから車で約7分とアクセスも抜群、他県との交流人口拡大にも期待する。「今後、サッカーチームのキャンプや学生の合宿などを積極的に招致、市民にはイベントを通じさらに認知度を高めていきたい」と話している。
気軽に楽しめる環境を子どもたちに
長与スポーツクラブ総合型地域スポーツクラブ活動助成
楽しさの中にも緊張感あふれる「親子バドミントン教室」=長与町丸田郷、長与中学校体育館
小学生がチアリーディングの技に挑む=同町吉無田郷、長与南交流センター
「それ!もう1本」。月曜夜の長与中学校体育館。小中学生や母親らがシャトルを打ち合う。「親子バドミントン教室」は楽しさの中にも緊張感があった。4月から親子で通う原口由香さんは「運動が苦手な息子にはいいきっかけです」とさわやかにほほ笑んだ。
長与スポーツクラブ(佐藤昇会長)は2009年3月に発足した。会員は年々増え、4年目の今年は約150人。スポーツ振興くじ(toto)助成を受け、長与町の施設でサッカー、チアリーディング、バドミントンの教室を開き、基本プレーを教えている。
スタッフは「子どもたちがいろいろなスポーツに親しんだ後、自分に合った種目を選んでほしい」と考えている。勝つことが目的ではないので、対外的な試合はしない。種目間の移動や入退会も自由。初心者はもちろん、すでに何か競技をしている子も気軽に参加できるのが魅力だ。
事務局長の金﨑良一さんは「年齢や性別などに関係なく、スポーツができて『楽しかった』と思える場を提供していきたい」と夢を膨らませる。