インタビュー

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競技復帰を決意させた東京パラリンピック 未来へ繋ぐ感謝のバトン(2/3)
パラバドミントンの魅力は「クラスによって戦略が変わるところ」

今後は東京パラリンピックで高まったパラバドミントンへの注目を持続させるためにも、次世代を担う子どもたちに「パラリンピックの経験を伝えていきたいと思います」と話す。バドミントンには馴染みがあっても、パラバドミントンを知らない人はまだ多い。鈴木さん自身、パラバドミントンの存在を知ったのは大学生の時。それまでは生まれつき右腕が肩より上がらない障がいがありながらも健常者と一緒にプレーし、高校では全国高等学校総合体育大会(インターハイ)にも出場していた。
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「大学になると全国大会で健常者に勝てなくなり、父にパラバドミントンがあることを教えてもらいました。大学3年で初めてパラバドミントンの大会に出場した時、車いすバドミントンや下肢障がいの選手がプレーする姿を見て、こういう世界もあるんだと驚きました。車いすを俊敏にコントロールしながら、ラケットもコントロールする。代表合宿で車いすに乗ったこともありますが、すごく難しかったです」
パラバドミントンは障がいの種類や程度により、車いすを使うWH1とWH2、立位でプレーする下肢障がいのSL3とSL4、上肢障がいのSU5、低身長のSH6にクラスが分かれる。車いす2クラスと下肢障がいの重いSL3のシングルスではコートが通常の半面となるが、それ以外は健常者のルールとさほど変わらない。
バドミントンとパラバドミントンの両方を知る鈴木さんは、パラバドミントン特有の魅力は「クラスによって戦略が変わるところ」にあると考えている。
「例えば、車いすは前後より左右に動く方が難しいので、相手を左右に振る戦略が有効です。片足が義足の下肢障がい選手であれば、逆に前後に動かす戦略の方がいい。私と同じ上肢障がいのクラスは最も健常者に近い一方、実はバランスが取りづらいので自分の後方に来るシャトルの対応が難しい。パラバドミントンと一言で言っても、それぞれのクラスで全く戦略が変わってきます」
同じクラス内で対戦するのだから、自分の苦手は相手の苦手。「そこを狙うのが面白い。コートの中では性格が悪い方がいいのではないかと思います(笑)」と茶目っ気を見せるが、コートに立ったら勝負が最優先。いかに相手の弱点を攻め、自分を優位に立たせるかがカギを握る。
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