インタビュー

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身近になったフィギュアスケート 元トップ選手が伝えたい競技の魅力(2/3)

フィギュアスケート 中野友加里さん

審判になって初めて知った「人に点数をつける難しさ」

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 2010年に現役を退いた後は、解説者、審判員としてフィギュアスケートに携わる。2013年には国内地方大会で審判ができるT級、その後地方ブロック大会で審判ができるB級ジャッジ、一昨年には東・西日本選手権で審判ができるA級ジャッジの資格を取得した。「審判になって、人に点数をつけることがこんなにも難しいことなんだ、と初めて知りました」と話す。

「高すぎても、低すぎてもいけない。その人にとって最適な点数をつけるのは本当に難しい。選手の頃は審判が思った通りの点数をつけているだけだと思っていましたが、ちゃんとルールに則って点数をつけている。私は選手のいいところをできるだけ多く引き出したいと思いながら採点しています。

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 ただ、いつも審判席につくのが楽しみな反面、怖い部分もあるんですね。間違えた点数をつけたらいけないと。そんな話をした時に先輩審判員からいただいたのが『怖いという感情がなくなったら審判はできないよ』という言葉。自分が正しいと過信せず、もしかしたら正しくないかもしれないと、常に学ぶ姿勢を持つことが大切だと言われました」

 より公平な採点を目指すため、シーズンごとにルールや採点基準は少しずつ変化する。学ぶ姿勢を持ちながら、常にアップデートされた状態であることが、選手の成績を決める審判にとってのプロ意識でもある。そもそも、中野さんが審判の資格を取ろうと思ったのも、学ぶ姿勢の延長だった。

「選手はもちろんルールを把握していなければいけませんし、難易度レベルの到達に必要な要素や規定は肌感覚のように身についていました。でも、引退するとどんどんルールが更新されて分からなくなってしまう。なので、審判の資格を取って勉強することで、第一線で活躍する選手のルールを把握できるようにしました」

 分厚いルールブックとにらめっこしながら「久しぶりに必死で勉強しました。高校生になった気分でした」と笑うが、見事A級ジャッジに合格。目標は一つ上のN級ジャッジを取り、全日本選手権の審判を務めることだという。

◆次ページ:中野さんが勧める、より深いレベルで楽しむ観戦方法とは

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