インタビュー

インタビュー

東京から未来へ繋ぐレガシー 視覚障がい者柔道選手が伝えたいこと

視覚障がい者柔道 廣瀬順子選手

スポーツを通じて広めたい障がいへの理解

 2021年の東京パラリンピック開催を経て、日本ではパラスポーツへの関心はもちろん、共生社会の実現に対する機運が高まった。2016年のリオデジャネイロ大会に続き、東京大会でもパラリンピック出場を果たした視覚障がい者柔道の廣瀬順子選手も、日常のふとした瞬間に変化を感じることがあるという。

「東京パラリンピックが終わってから、街を歩いていたりジムに出掛けたりすると声を掛けていただく機会が増えました。小学校や中学校へ講演に行っても授業でパラスポーツが行われていたり、パラスポーツを見たことがあるというお子さんが多かったり、やはり色々な人に知ってもらえたのだと感じます」

 視覚障がい者柔道では東京パラリンピックの開催に加え、以前から行われている体験イベントや選手発掘の取り組みもあり、少しずつ競技者数が増加。同時に、興味や関心が増したことで見えてきた課題もあるという。

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「視覚障がい者に一から柔道を教えてくれる道場が盲学校以外にほとんどないんです。視覚障がい者柔道のルールを理解してくださる一般の道場であったり、受け入れてくれる学校の部活動であったり、全国各地に練習できる環境が増えれば、競技自体がもっと盛り上がっていくと思います」

 廣瀬選手は大学1年生の時に病気を患い、視野が狭まった。その時、小学5年生から始めた柔道から一度は距離を置いたものの、「もう一度何かに一生懸命取り組みたい」と視覚障がい者柔道で競技復帰した背景を持つ。障がい者、健常者、それぞれの立場を知るからこそ、抱く想いがある。

「障がい者は障がい者スポーツ、健常者は健常者スポーツと分けて考える風潮が、今はまだあると思います。でも、少し手助けをしてもらえれば障がい者でも一般の方がスポーツをする中に参加できることもありますし、逆に障がいのない方でも障がい者スポーツを楽しむことができる。そういうことを知っていただき、気軽に色々な場所で一緒にスポーツを楽しめるといいですね。教科書で勉強するより、人と人とが触れ合う中で障がいについて理解してもらうのが一番分かりやすい。スポーツを通じて理解が進んでいけばいいなと思います」

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