インタビュー

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男子エペ団体金メダリストが目指す“史上最強のフェンサー像”とは

フェンシング 見延和靖選手

東京オリンピックで金メダルも「そこがゴールではなかった」

 2021年夏。東京オリンピック・パラリンピックで日本代表選手が見せた活躍に心動かされ、勇気や元気をもらった人は多いだろう。圧倒的なチームワークで男子エペ団体が日本フェンシング界に初めてもたらした金メダルもまた、大きな感動を呼んだ。キャプテンとして快挙達成に貢献した見延和靖選手は、この1年を「あっという間。早いですね」と振り返る。

「東京オリンピックまで色々な方に支えられ、応援していただいた。僕自身は当然、次の目標に向かって進み出していますが、1年経っても金メダルを見た皆さんに『わぁ~!』と喜んでいただけると、金メダルを獲った時のあの感動が甦ってきます」

 フェンシングにはエペ、フルーレ、サーブルの3種目があり、日本ではフルーレが主流。だが、金メダル効果もあり、見延選手が所属するNEXUSフェンシングクラブでは「エペを始めたい」という子どもたちが増えたという。元々、エペは「キング・オブ・フェンシング」と呼ばれ、世界的には最も競技人口が多い。それだけに、日本が並み居る強敵を破り、オリンピックで優勝した価値は計り知れない。

 見延選手にとって金メダル獲得は「大きな目標の一つ」だったと言うが、「そこがゴールではなかった」と言葉を続ける。

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「その先も見据えた上での東京オリンピックだったので、これまでやってきたことが正しかった、間違っていなかった、と自分の中で証明された。自信に繋がったことが一番大きかったと思います」

 一つの目標を達成し、王者として新たに踏み出したステージ。追う立場から追われる立場になったことで生まれた挑戦もある。

「これまで強豪国のライバルに勝つことを目標にやってきましたが、頂点に立ち、追われる立場になると、今度は目指すべきところが自分の中に生まれてきたように思います。これまでと同じではなく、新たなアプローチが必要になってくる。色々なことを試しながら、そのチャレンジから刺激を受け、少しずつ手探りでやっていくしかない。これからは自分と戦いながら、史上最高の自分を求めて戦っていかなければいけないのかなと思います」

 新たな挑戦に臨む過程で迎えた7月の世界選手権。男子エペ個人で決勝に進むと、東京オリンピック個人優勝のロマン・カノヌ選手(フランス)に敗れたものの、世界選手権同種目では日本初の銀メダル獲得という上々の一歩を記した。

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