インタビュー

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男子エペ団体金メダリストが目指す“史上最強のフェンサー像”とは(2/2)

フェンシング 見延和靖選手

エペで連覇が少ないのは競技特性か…「僕はそうは思っていない」

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 史上最高の自分を求める戦いは、史上最強のフェンサーを目指すチャレンジの一環でもある。見延選手が思い描く「史上最強のフェンサー像」とはどのようなものなのだろうか。

「エペという種目はなかなか勝ち続けることが難しく、これまで連覇した人がほとんどいません。エペの選手やコーチと話をすると『それはもうエペの競技特性だ』と言うんですが、僕はそうは思っていない。まだみんなの知らないエペの極意が存在して、その極意に気付き、手に入れさえすれば、これまでにないフェンシングを確立できて、勝ち続けられるんじゃないかと思っています。自分が目指すところは、そこかなと」

 中世ヨーロッパの騎士道に起源があるとされるフェンシングは、スポーツであると同時に勝敗を超えた価値を重んじる側面もある。

「フェンシングは礼に始まり礼に終わるもの。試合前は必ず対戦相手、審判、観客の3方向に挨拶をしますし、試合に勝つということは、そもそも相手がいないと成り立たない。ただ自分が相手を負かすということではなく、相手がいるからこその勝ち。相手になってくれてありがとう、という気持ちは忘れてはいけないと思っています」

 こういった奥深さを考えると、「史上最強のフェンサー」とは勝敗以上に「道」を究めた先に見えてくるものなのかもしれない。「もしかしたらそこにたどり着くかもしれないですし、結果として、また『勝つ』というところに繋がってくるのかもしれない。そこはまだ誰も知らない未知の領域なので、楽しみなところではあります」と話す目は、まだ見ぬ世界への探究心と、道を切り拓こうという意欲に満ちあふれている。

 史上最強のフェンサーを目指す過程で、2024年に開催されるパリオリンピックは避けては通れない節目となる。見延選手は2年後に迎える次回オリンピックをどのような位置づけで捉えているのか。

「団体で金メダルを獲りましたが、個人でも獲りたい想いがある。史上最強のフェンサーを目指す上でも、そこは必要なステップだと思うので、次は個人でのメダルを目指したいと思います。また、東京オリンピックは自国開催ながら無観客でしたので、パリではせめて家族には金メダルの瞬間を生観戦してもらいたい。そこも目指していきたいと思います」

 自分との戦いを繰り返しながら向かうパリでは、一体どんなフェンサー像を示してくれるのか、今から楽しみにしておこう。

(当記事は2022年6月に新型コロナウイルス感染症対策を行った上で取材・撮影を行いました。)

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見延 和靖みのべ かずやす

1987年7月15日、福井県生まれ。小学校では空手、中学校ではバレーボールに熱中したが、フェンシング経験者でもあった父のアドバイスを受け、高等学校からフェンシングを始める。当初はフルーレとエペを両立していたが、大学進学後にエペに専念。NEXUS入社後にイタリアで単身武者修行に励むなど研鑽を積み、2015年には日本男子エペ個人でワールドカップ初優勝。2016年にはリオデジャネイロオリンピックの個人戦に出場し、6位入賞を果たす。その後も国際大会で優勝を重ね、2019年には世界ランキング1位&日本人初の年間王者に輝いた。東京オリンピックでは男子エペ団体で日本初の金メダル獲得という快挙を成し遂げた。

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