インタビュー記事

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その他

家族がくれる力と安らぎ 結婚・出産を経たハードラーの走り続ける姿(3/3)

アスリートを支える助成金、スポーツ界の未来に思いを馳せた

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 若いアスリートの成長を願うからこそ、競技の普及・発展を支えるスポーツくじ(toto・BIG)の収益による助成金の意義も理解している。陸上競技では、日本陸上競技連盟によるアンダー世代の合宿の開催をはじめ、寺田選手が2019年9月に日本記録を更新した富士北麓ワールドトライアルの会場でもあった富士北麓公園陸上競技場など、地域のスポーツ施設の整備にも役立てられている。

「若いアスリートは早い段階から海外に出たり、集まって先輩アスリートの話を聞いたりすることで、いろいろな考え方を取り入れられる。凄く大きなことだと思います。そういう子たちがこれからのスポーツ界をつくっていくし、私たちがつくってきたものをアップデートしてくれる。」

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 スポーツ界の未来に思いを馳せた寺田選手。新型コロナウイルス感染症の影響で、現在は完全な形でスポーツイベントを開催するのも簡単ではない。そんな中、スポーツが社会に果たせる役割とは何だろうか。「アスリートが夢と希望を与えるというのは、私は違うと思っていて」と強調し、こう続けた。

「アスリートは意図せず一生懸命に頑張って、それを見た方がどう感じるかだと思うんですよ。私も近くにいる人たちに対し、まずは私の結果で喜んでほしい。その上で多くの人たちが何かを感じとってくれれば、凄く嬉しいこと。あとは、日本でもスポーツが一つのビジネスとしてもう少し発展すればいいなと思います。海外のスポーツを見ると、大きなビジネスとして動いている。」

 スポーツから多くを学んできた寺田選手にとってのスポーツとは、「人生を豊かにするツールです」と即答した。「人生の全てではないということです。私の人生をつくっている一つの要素」。全身全霊を懸けて臨むものではあるが、依存しすぎてはいけないという。

「人生に似ている」と話すのが、100メートルの中にある10台のハードル。ただ単に走るのではない。ハードルを越えるためには精度が必要だ。一つのハードル間を0秒01ずつ速く走れば、100メートル先では0秒1速くなる。「精密さを求められるのが凄く深い。人生でもいろいろなハードルを越えてきた。失敗もあるけど、うまく越えられることもある。それが凄く面白い」と競技の魅力を明かした。

 オリンピックを目指した過程は、結果がどうであれ色あせることはない。「(娘には)オリンピックが私たちにとって特別なものなんだと感じ取ってもらいたい。『どうしてあそこまでして目指していたんだろう』と、なんとなく思っていてもらえたらいいな」。家族がくれるパワーと安らぎ。原動力を最大限に生かしながら、どんなハードルも乗り越えていく。

(リモートでの取材を実施)

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寺田 明日香てらだ あすか

 1990年1月14日、北海道出身。小学4年生から陸上競技を始め、北海道恵庭北高等学校で全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の女子100メートルハードルを3連覇。北海道ハイテクノロジー専門学校へ進学し、2008年から日本陸上競技選手権大会を3連覇。2013年に現役を一度引退。2014年に早稲田大学人間科学部に進学し、同年に結婚、出産を経て、2016年8月から7人制ラグビーに挑戦。2017年1月から日本代表練習生として活動した。2018年12月に陸上競技への復帰を表明。2019年9月に12秒97の日本新記録をマークし、10月の世界陸上競技選手権大会に出場した。2021年4月の織田幹雄記念国際陸上競技大会では、12秒96で日本記録を更新。同6月の木南道孝記念陸上競技大会でも、12秒87で再び日本記録を更新した。6月の日本選手権では大会史上最長ブランクとなる11年ぶりの優勝を果たし、東京オリンピック代表の座をつかんだ。

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