トップアスリート×47都道府県

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その他

トップアスリート×47都道府県(北海道) 柔道 上野雅恵

厳しい柔道の練習から折れない心をつかみ二度の金メダル。

つらくても涙は禁止、それが道場での約束

柔道家の父のもとで6歳から柔道を始めたんです。そういうと、早いですねと驚かれるんですが、妹たちは遊びの延長で3歳から始めてましたから、そんなに早くもないと思っています。ただ、厳しい教育であったことは間違いありません。子どもの頃から、練習がどれほど厳しくても、つらくても、道場では絶対に泣くことが許されませんでした。そのせいか今でもクールな印象があるようです。アテネオリンピックで金メダルをとり、北京オリンピックでも勝って戻るとき、私が無表情だったのでコーチが「笑え、喜べ」と叫んだというエピソードが伝えられているようです(笑)。あれは無表情だったのではなく、技ありだったのか一本だったのか分からなかったからなんです。結果的に一本勝ちを決めることができ、本当にうれしかったです。それはやっぱりオリンピック二連覇ですからね。

柔道家の父と、高校の恩師の指導とは

柔道は厳しいスポーツです。でも、やめたいと思ったことはないんです。それほど厳しい柔道をやめたいとも思わず続けてこられたのは、振り返ると周囲の人々、特に中学まで私を指導してくれた父と、高校から教えてくださった柔道部の先生のおかげだと思います。とにかく父からは耐える力というか、折れない心というものを教えてもらった気がしますね。そして高校の先生からは「お前なら世界チャンピオンになれるぞ」と、世界に目を向けさせてもらい、ポンと背中を押してもらったような感じがします。私は子どもの頃から柔道をやってきましたけど、高校の柔道部では、高校から始める子も多いんです。その中で、先生は初めて柔道をやる生徒にも、経験のある生徒にも、わけへだてなく平等に愛情をもって指導してくださったんです。そういう指導者の態度というのは生徒にも伝わるんですね。みんな一生懸命練習に打ち込んでいました。実はいま旭川で、私の母が地元の子どもたちに柔道をはじめさまざまなスポーツを教えているんですが、ひたむきに続けることによって得られるものってあると思うんです。私も現在コーチという立場になって、何ができるかと考えるんですが、やはり講道館以来の礼節を重んじる柔道の精神。なによりこれを教えていきたいですね。

上野 雅恵うえの まさえ

2004年アテネオリンピック、2008年北京オリンピック柔道女子70kg級金メダリスト。柔道家の父について6歳から柔道を始めた。北海道旭川市出身。北海道旭川南高等学校卒業。

北海道内のtoto助成事例

スポーツを通じて、子どもたちに「社会性」を。

特定非営利活動法人 SSSスポーツクラブ総合型地域スポーツクラブ活動助成

幼児クラスは全身運動を楽しく行うフィットネスを実施。

札幌市内各地で、懸命にボールを追いかける中学生クラス。

札幌市で活動するSSS(スリーエス)スポーツクラブ。1979年に設立し、現在約700人が在籍。サッカーを中心にフィットネスやバドミントンも行う総合型クラブとして活動しています。同クラブは、2009年からスポーツ振興くじ(toto)助成を受けており、ボールの購入や施設使用料、スポーツ授業の開設まで多岐にわたり、未来のアスリートの育成に役立てられています。

技術を磨くとともに 地域貢献活動に参加

「totoの助成金によって、活動の奥行きがぐっと深まりました。例えば、新たに幼稚園年代のコースを開設したり、より環境のよい場所での練習など、新分野に挑戦できました」と話すのは、同クラブ代表理事の岩越英治さん。また、岩越さんによると、ごみ拾いやスポーツ交流などといった地域貢献活動の機会も増えたといいます。「子どもたちのサッカーの技術が向上しただけでなく、地域と関わることで社会性も培うことができます。これからも地域に根差したクラブでありたいと思います。」

町の活性化につながるスポーツ環境づくり

滝上町多目的グラウンド地域スポーツ施設整備助成

芝がストライプ状に美しく整備された多目的グラウンド

地域のゲートボール大会も開催され、多くの町民が参加

2010年、道北・滝上町にある町営グラウンドがスポーツ振興くじ(toto)助成を受け、整備されました。それまで土でできていたグラウンドの半分を天然芝にしました。翌11年から本格的に使用され、地元のサッカー少年団の練習をはじめ、サッカー大会も開催。「フィールドが土から芝生になったことで、転んでも痛くなく、けがも減ったと評判なんですよ」と話すのは、町の担当者。
「少年サッカーチームからは、さまざまな技が試せると喜ばれています。また、ゲートボールや野球においても使いたいとの要望があります。町のスポーツ活性化にも一役買っていますね。」

大会開催で広がる「活性化の輪」

今後、同施設で大きな大会を開催することが目標といいます。「このグラウンドで大会があると、宿泊施設や道の駅、商店にも集客が見込め、町の活性化にもつながります。そのため、大会を運営するならこのグラウンドでといわれる施設にしたい。一つのグラウンドからさまざまな輪を広げていけたら」と、同施設の今後に期待を寄せています。

関連リンク

ツール・ド・北海道2010市民レース(北海道)