トップアスリート×47都道府県
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トップアスリート×47都道府県(神奈川) 水泳 中村礼子
泳いでいる時、そして泳いだ後の爽快感。水泳の楽しさ伝えたい。
苦難乗り越え今がある 自分の泳ぎをすることに徹しよう
やればできるんだ―。アテネで銅メダルを手にしたとき、そう思ったことを覚えています。学生時代の練習はとにかく厳しかったし、合宿では毎日3万メートルは泳いでいました。そんな厳しい練習の積み重ねでつかんだ銅メダルでしたから。
その後の4年間にはつらい時期もありました。アテネのメダルのプレッシャーを感じながらもフォームの改良をするために新たなトレーニングにも取り組みました。もう一度、オリンピックの舞台で泳ぎたいという思いで、決してあきらめませんでした。
北京のレースでは、苦難を乗り越えてきたからこそ、今がある、自分の泳ぎをすることに徹しようと心に決めました。その結果として獲得した銅メダル。アテネとは全く違う重みがありましたね。
3歳から通っていたヨコハマスイミングクラブの指導方針は「泳力がアップすれば、それでよし」というわけではありませんでした。
トレーニング開始に遅刻したある日、コーチに何も言わないで泳ぎ始めたことがありました。プールから上がると、とても怒られました。「遅れてすみません」のひと言の大切さ。競泳選手である前に、社会との関わりの中で大切にしなければならないことがあると教えられていたんですね。
素晴らしい仲間がいた それが一番楽しかった
湘南工科大学附属高校時代は水泳部に所属していました。練習はスイミングクラブで続けましたが、常に水泳部が一つのチームであることは忘れませんでした。学校には悩みを聞いてくれたり、調子が悪くても励ましてくれたりする素晴らしい仲間がいました。それが一番うれしかったし、楽しかったですね。今思えば、とても恵まれた環境でした。
今後のスポーツの活性化には、環境づくりがとても大事です。特にジュニアの場合、スポーツと学業の両立、友達との関わり方などメンタル面での不安は大きいんです。それらを理解した上での指導プログラムをつくってもらえればと思っています。
競技生活を終えてから4年近くになりますが、これからも水泳の楽しさを一人でも多くの人に伝えたいですね。水泳の楽しさとは、泳いでいる時、そして泳いだ後の爽快感。それが健康維持につながるならば、これほど楽しいことはありません。
中村 礼子なかむら れいこ
1982年、横浜市都筑区出身。横浜市立勝田小、同茅ケ崎中、湘南工科大学附属高、日本体育大学卒。アテネ、北京のオリンピック2大会連続で銅メダルを獲得。東京スイミングセンター所属。
神奈川県内のtoto助成事例
会員専用の送迎バスとして大活躍
NPO法人 ライフネットスポーツクラブスポーツ団体スポーツ活動助成(マイクロバスの設置)
バスを背に「会員の利便性がぐんと向上した」と加藤理事長
天然芝のグラウンドでトレーニングに意気込む子どもたち
幼児から高齢者まで幅広い年齢層の地域住民に多彩なスポーツプログラムを提供するNPO法人ライフネットスポーツクラブ(加藤純二理事長)。横浜市神奈川区菅田町の敷地約8300平方メートルに整備された天然芝のグラウンドとクラブハウスが活動拠点だ。そのクラブに昨年、スポーツ振興くじ(toto)助成を受けて「29人乗りのマイクロバス」がやってきた。
地域とクラブハウスを往来 クラブのPR効果も抜群
バスは、年齢(U8・U15)に応じた指導を徹底しようと元Jリーグ監督らがコーチを務めるサッカースクール会員の地域交流行事参加や大会遠征に活用。地域住民の健康増進のために開講したグラウンドゴルフやヨガ教室などの会員専用の送迎バスとして活躍。誰もが分かりやすく、多少の人数が集まっても支障のない場所、例えば自治会館前や小学校校門前などとクラブハウスを往来する。
地域住民の評判も上々で、加藤理事長は「装飾が目立つバスなので、クラブのPR効果も抜群。おかげで各プログラムともに参加会員が増えています」と笑顔で話した。
30種目から好きな種目を選び放題
NPO法人 高津総合型スポーツクラブSELF総合型地域スポーツクラブ活動助成
サッカーボールを追いかけて思い切り走り回る子どもたち
遊びの場を存分に取り入れたニュースポーツプログラム
会員は好きな種目を選び放題―。そんな呼び掛けで地域住民に多彩なプログラムを提供するNPO法人高津総合型スポーツクラブSELF(平口和宏理事長)。川崎市立高津中学校の学校開放を活用し、スポーツと文化活動を合わせて約30種目も用意している。
「こんなに面白い種目がある」という会員からの提案もどんどん受け入れてきた。スポーツ振興くじ(toto)助成は、そうした種目拡大とコーチングスタッフの充実に大いに役立っている。
地域みんなの遊び場づくり 多世代の地域交流を実現へ
「総合型スポーツって何?」と聞かれることも数多い。その答えは「地域みんなの遊び場づくり」と平口理事長。「遊びの中から自分に合ったスポーツ、趣味、活動を見つけてほしい」と声を大にする。目標は「100年続くクラブづくり」。
高津中学校の協力も大きい。高齢者を対象とした「認知症にならないため、あるいは初期の認知症の方々のための遊び場づくり」に理解を示し、中学生の積極参加を表明。まさに「多世代の地域交流」を実現させようとしている。
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