私たちの街のGROWING

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スポーツとの新たな出会いを生む      京都市「みんなのスポーツフェスタ」

京都府京都市

秋晴れの空の下、京都市にある西京極総合運動公園で開催された「第18回みんなのスポーツフェスタ」。約19ヘクタールの広大な運動公園でスポーツを無料で体験できるイベントは、毎年多くの京都市民でにぎわいます。地域住民に愛される秘訣は、なんといっても体験できるスポーツの多彩さ。今年はテニスや野球といったなじみ深いスポーツを始め、東京オリンピック・パラリンピックで注目を浴びたBMXやボッチャ、体験の機会が限られるフェンシングやなぎなたなど、子どもから大人まで誰でも気軽に楽しめるように、20種類近くの体験ブースが用意されました。今回は「みんなのスポーツフェスタ」に込められた地域やスポーツへの想いを、運営を担う公益財団法人京都市スポーツ協会の事業運営課 係長の中尾さんと、藤本さんに伺いました。

年齢性別を問わず、すべての人にスポーツの喜びを

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真剣な眼差しでフェンシングを体験

中尾「子どもから年配の方まで、幅広い方にスポーツを楽しんでもらい健康促進につなげてほしいという想いから、2004年に『みんなのスポーツフェスタ』は始まりました。イベントを通して『地域の方々に気軽にスポーツを楽しんでもらいたい』という想いは、開催当初からずっと変わらないままです」

20年近く変わらぬ想いで続けてきた「みんなのスポーツフェスタ」。一方でイベントの内容は時代を経るごとに変わっていきました。開始当初はスポーツを「見る」種目が多かったものの、次第にスポーツを「する」種目が増えていき、規模も大きくなっていったといいます。

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中尾「開催当初はスポーツを観戦するイベントが多かったのですが、今は実際に体験してもらう種目がほとんどです。せっかくの機会ですのでスポーツのおもしろさを、ご自身やご家族で体感していただきたいんです。ご家族で参加できる種目は、おじいちゃんおばあちゃんから、お母さんお父さん、子どもたちの三世代一緒に取り組めるものもあり、家族のコミュニケーションが生まれます。そんな家族みんなで楽しめる種目や、参加者の方がやってみたいと思えるスポーツを取り入れているうちに、種目がここまで増えていったんです(笑)」

 参加者のニーズを捉えたイベント内容は、多くの人を引き付けています。参加した方からは「去年もフェンシングを体験しておもしろかったので、今年も真っ先に申し込みました。なかなかできないスポーツなので良い体験でした」「子どもがBMXをやってみたいというので来ました。いきなり始めるのは難しいですが、これならお試しで体験できて良いですね」という声をいただきました。

地域がつながることで、スポーツの魅力を広げる

 2021年度の「みんなのスポーツフェスタ」で体験できる種目は、野球・サッカー・バスケットボール・テニス・フェンシング・スクエアボッチャ・カローリング・卓球・ストリートダンス・弓道・なぎなた・ペタンク・オリエンテーリング・BMX・ゲートボール・ノルディックウォークなど。話題のスポーツや、一度はやってみたいスポーツなど、参加者の心をくすぐるようなラインナップです。多くの種目を実現できるのは、地域のスポーツ団体や学生の積極的なサポートがあるおかげです。

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 中尾「私たち京都市スポーツ協会には、現在45のスポーツ団体が加盟しています。普段から密にコミュニケーションをとっていることもあり、加盟しているそれぞれのスポーツ団体の皆さんが、体験会やブースの出展に熱心に協力していただけるんです。
 それにイベントでの体験がきっかけで、本格的にそのスポーツを始めてみたいと思われる参加者の方も多く、そういう時は参加者の方に加盟団体のイベントや教室をご案内しています。イベント当日だけで終わるのではなく、その後につなげられるのは『みんなのスポーツフェスタ』ならではかもしれません。いつかこのイベントがきっかけとなってスポーツ選手が生まれるのが楽しみです。」

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運営に携わる(左)藤本さん(右)中尾さん

 藤本「プロサッカークラブである『京都サンガF.C.』やプロバスケットボールチームである『京都ハンナリーズ』の方々もスポーツ体験ブースの運営などサポートしていただいています。京都市障害者スポーツ協会や大学・専門学校の皆さん、そして地域住民の皆さんなど多くの方に携わっていただいており、地元の協力なしに開催は実現できません。地域密着で一丸となって盛り上げています」

 2020年と2021年はコロナ禍での開催となりましたが、事前予約制の導入、感染症対策の徹底によって開催に漕ぎ着けました。人が集まるのかという不安とは裏腹に、想像以上の参加応募があり、スポーツを待ち望んでいる人の多さを実感したといいます。

藤本「最初は開催するべきなのか、開催するとしてもどのように運営するべきなのか迷いがありました。でも子どもたちが思うように外に遊びにも行けず、スポーツもできないという状況の中で、参加したご家族の方から『このような状況で開催していただきありがとうございます』と感謝の言葉をいただけたときはすごく嬉しかったですね。コロナ禍における準備は手探りで大変なことが多かったですが、みんなが楽しく笑顔でスポーツしている姿を見ると改めて開催して良かったと感じました」

実際、参加された方からは「毎年家族で参加するのを楽しみにしているので、今年も参加できて良かった。人生で初めて弓道に挑戦しましたが手取り足取り教えてもらえてうまくできました」と笑顔で感想をいただきました。

もっと地域住民に愛されるイベントを目指して

これだけ充実したスポーツを体験できるにもかかわらず、無料で体験できるというのも多くの参加者が集まる秘訣です。しかし充実したイベントや大規模な運営を維持するためには苦労もあったといいます。

中尾「BMXはゼロからコースを設営しましたし、弓道の会場もこの日のために作っているんです。クライミングのために6mの壁を会場に建てたこともありました。こういった設営は大規模な費用や準備が必要になるため、スポーツくじ(toto・BIG)の助成金を活用しています。スポーツくじの助成金が無ければイベントの規模をここまで広げることは難しかったと思います。
 またスポーツくじの助成金を活用することによって、トップアスリートを招へいできるようになりました。小さい頃に憧れのトップアスリートの方と接するというのは、忘れられない体験になると思うんです。今回は、全日本選手権の優勝経験もある森薗美咲選手に指導いただきました。この卓球教室は、大変貴重な経験となったと思います。あとは障がい者スポーツの団体と連携して、車いすバスケやシッティングバレーの企画にスポーツくじの助成金を使うこともありました」

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 イベントの回を重ねるごとに充実していく内容は参加者の方に好評で、毎年の開催を心待ちにしてくださるファンは年々増えているといい、コロナ禍で人数制限を行う前は約1万人が参加したこともありました。京都市民にスポーツの機会を届けるスポーツフェスタの今後の展望を二人はこう考えています。

中尾「自分が直接体験することだけがスポーツではなく、イベントの雰囲気を楽しんでいただくのも、スポーツをしている人を見るのも、スポーツに触れる体験の一つだと思うんです。そういった意味で、『みんなのスポーツフェスタ』は、いろいろな角度からスポーツに触れられる良い機会だと思っています。これからも一人でも多くの方に、スポーツの楽しさに触れてもらえるように工夫していきたいです。」

藤本「新しいスポーツを皆さんに知っていただくために、これからもいろいろな企画をしていきたいと思っています。来年は2、3歳の小さなお子さまにも楽しんでいただけるようなスポーツを取り入れるなど、より幅広い世代の方に楽しんでもらえるようなイベントにしていきたいです。これからも地域の皆さんと連携して地元を盛り上げていきたいです。」

スポーツの新たな楽しみ方を広げ、人と人をつなげていく「みんなのスポーツフェスタ」。これからも京都市民に愛される意義深いイベントに成長していくに違いありません。

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アンケートにご協力ください。

Q1

本記事を読んで、スポーツくじ(toto・BIG)の収益が、日本のスポーツに役立てられていることを理解できましたか?

とても理解できた
なんとなく理解できた
理解できなかった
Q2

スポーツくじ(toto・BIG)の取り組みに共感できましたか?

とても共感できた
なんとなく共感できた
共感できなかった
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