インタビュー

インタビュー

心を一つにつかんだ銀メダル 栄光に続くチームビルディングとは

女子バスケットボール 髙田真希選手

「思ったことは口に出す」 自分らしさで導いたチーム

「もともと人見知りであったり、人前に立つことが苦手だったりしたので、正直、自分にできるかなと不安ではありました」

【特集】「子どもの目指す場所ができた」 日本に与えたB.LEAGUE誕生の意義 / バスケットボール 富樫勇樹選手(千葉ジェッツ)インタビュー

 東京オリンピックで銀メダル獲得の快挙を遂げ、旋風を巻き起こしたバスケットボール女子日本代表。爽やかな笑顔が印象的なチームで、見事なリーダーシップを発揮した髙田真希選手は、主将に任命された当時をこう振り返る。

 2017年に日本代表ヘッドコーチ(HC)に就任したトム・ホーバス氏が掲げた目標は「金メダル獲得」。その大きな目標に向かってチームのベクトルを合わせる役割を任されたのが髙田選手だった。

 その1年前から、所属するデンソーアイリスでも主将を経験。当初は「遠慮や『こう思われたらどうしよう』と不安な部分もたくさんありました」という。ああでもない、こうでもない、と頭を悩ます日々。答えが見つからず霧の中を彷徨ったが、ある日、原点に立ち返ると一気に視界がひらけた。

「周りにどう思われようと、自分らしくやっていこうと決めた時、何かが吹っ切れた感じがしました」

 参考にするリーダー像は特にない。「誰かと比較したり追い求めたりしてしまうと、自分を苦しめることにもなるので」と、自分らしさを重視。「キャプテンに就任してから絶対にしているのは、思ったことは口に出すこと。自分が遠慮してしまうのはチームにとっても良くない」と、率先して発言しやすい場づくりに努める。

 所属チームでの経験は、代表でも十二分に発揮された。ホーバスHCから求められたのは「リーダーシップ」。HCの求めるプレーや考え方を、代表歴の浅い選手や若手選手が1日も早く理解できるように導くため、「とにかく先頭に立つようにしていました」と話す。

「一番に声を出すことを意識しました。オリンピックまでの準備期間はそれほど長くはなかったので、1日1日、一つ一つの練習が大事になる。まずは雰囲気を盛り上げるために常に声を出したり掛け合ったり。年齢や経験の幅もあったので、若い選手が代表チームでも思い切って本来の力を出せるように心掛けました。あとは練習メニューの狙いを意識すること。試合で大切なポイントに繋がるから練習するわけなので、メニューが切り替わる時に声を出して意識するよう伝えていました」

 練習終わりで集まる時はみんなで意見を出し合い、「今日よりも明日の方がいい練習ができるように」とチームみんなで高め合った。

◆次ページ:厳しかったホーバスHCに感謝「練習よりも試合の方が全然楽」

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