インタビュー

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小学6年時の作文を9年後に実現 女子卓球界エースの目標達成術とは

卓球 伊藤美誠選手

東京オリンピックで3種類のメダル獲得「小さな目標をクリアし続けた結果」

「私は2016年には(オリンピックに)出場して2020年には、団体優勝、個人戦で優勝したいと思いました」

 小学6年生の時、「オリンピックに出て優勝したい」という題名の作文を書いた伊藤美誠選手。作文の最後に記された目標は、2016年にはリオデジャネイロオリンピックに出場して女子団体で銅メダル、2021年には東京オリンピックに出場して混合ダブルスで金メダル、女子団体で銀メダル、女子シングルスで銅メダルという形で実現した。

 目標を実現させるのは、簡単なことではない。道半ばで挫折してしまった経験を一度や二度持つ人は少なくないだろう。オリンピックに出場し、優勝するという大きな目標を達成した伊藤選手は、実現に向けてどのようなアプローチを取ったのだろうか。

「作文を書いたのは小学生の時だったので、実際は割と漠然としたものでした。それでも、2020年に開催されるオリンピックに出場して優勝したいと思っていたので、そのためには2016年のオリンピックを経験しないといけない。オリンピックに出るためには、世界ランキングを上げないといけない。世界ランキングを上げるためには海外の試合に出場する必要があり、そのためには日本国内の大会で上位に入らなければいけない。こうやって大きな目標から逆算して、自分の分かっている範囲で段階的に目標を決めました。今、目の前にある目標を達成したら次に進む。そうやって小さな目標をクリアし続けた結果、東京オリンピックまでたどり着いたと感じています」

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 また、目標に向かって邁進する過程では「第三者の目が大切」ともいう。自分の視点とは違った角度の意見を聞くことで、現状をより正確に把握し、次のステップに繋げられるからだ。

「周りにいる人たちに自分の目標や狙いを伝え、それができているかどうか、第三者の視点から見てもらうことも大切ですね。自分ではできていると思っても意外とできていないことが多いので、客観的な意見は参考になります。もちろん、自分の感覚を一番大事にしたいと思うし、自分が決めたことは貫き通す強さも大切。ただ、意地になるのもよくないので、7割は自分、3割は周りの意見でバランスを保てるといいかもしれませんね」

「幼い頃から意外と目標や計画を立てることが得意でした」とニッコリ微笑むが、世界の頂点を掴むには「意外」ではなく「必須」の資質だったのかもしれない。大きな目標に向かって一つ一つステップアップする過程では、ITTFワールドツアーシングルス最年少優勝(14歳152日)、オリンピック卓球最年少メダリスト(15歳300日)、全日本選手権女子史上初となる2年連続3冠達成など、数々の偉業を成し遂げた。

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