インタビュー

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スマイルジャパン輪島夢叶 勝利を呼ぶ氷上のヒロインに

ユメミルノート vol.7|女子アイスホッケー 輪島夢叶選手

 闘い抜くアスリートたちはこれまでにどんな夢を掲げ、叶えてきたのでしょう? そして、その夢のためにどのような努力をし、失敗や苦労を乗り越え、どんな人やものに支えられてきたのでしょうか。そんなアスリートの夢を紐解く連載「ユメミルノート by スポーツくじ」。第7回は、アイスホッケー女子日本代表の輪島夢叶選手が登場。

「笑顔」というコンセプトを掲げ2013年から「スマイルジャパン」の愛称で親しまれるアイスホッケー女子日本代表チーム。2025年2月に開催されたオリンピック最終予選でチーム最多の5得点をマークし、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック出場権獲得に大きく貢献したニューヒロイン・輪島選手の軌跡と思い描く未来に迫りました。

輪島夢叶選手が記入したユメミルノート int_174_2
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試合に出られない、勝てないーー悔しかった幼少期

 氷都・苫小牧市に生まれ、母と兄がアイスホッケーをプレーしていたことから、小学1年生の時には「気づいたら氷の上にいました」と語る輪島選手。当時から、「スマイルジャパンに入りたい」という夢を抱いていました。

「オリンピックに出場したいというより、スマイルジャパンに入りたいという気持ちが大きかったです。当時はオリンピックというものがすごく遠くに感じていたのですが、スマイルジャパンには地元の先輩たちがたくさんいて。目の前で見ているスマイルジャパンにとても憧れていました」

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int_174_5 幼少期の輪島選手  [写真]=本人提供

 輪島選手の持ち味であるスピード感のあるスケーティングは小学生の頃に学んだもの。しかし、当時所属していたのは公式戦であまり勝つことのできないチームで、輪島選手自身、試合に出ても小さい体躯で思うようにプレーができなかったといいます。

「試合に出ても得点に絡むわけでもなく、そもそもあまり勝つこともできなくて。そんな感じだったのに本当によくやめなかったなと思います。勝てないチームだったからこそ、たまに勝てるとその一勝の重みと喜びを噛み締められたことが大きかったです」

最年少でU18に選出 初めて着た代表のユニフォーム

小学生の頃は地元苫小牧の選抜に選ばれるもののそこでも試合に出られないことが多く、「悔しい思いをしてきましたし、アイスホッケーが楽しかったのかわからないです」と振り返ります。そんな彼女に大きなターニングポイントが訪れたのが中学2年生の時でした。

「中学2年生の時に最年少でU18日本代表に選出していただいたんです。当時はU18に選ばれるなんて思ってもいませんでした。初めて日本代表のユニフォームを着ることができて、『この場でずっとプレーしていたい』と強く思うようになりました」

int_174_6 U18選出当時の様子 [写真]=JIHF NAGAYAMA

 試合に出られなくても、勝てなくても、それでも輪島選手は「自分を信じることを大切にしてきました」と続けます。

「スマイルジャパンへの憧れだけはすごく強かったです。負けず嫌いな性格なので、試合に出られない状態でも諦めるのは違うと思っていたんですよね。目指すのはタダですから(笑)。だから、アンダーカテゴリーの代表に選出された時も、私の何かを買ってもらって選ばれたわけだから、自分のやっていることを信じて頑張ろうという気持ちで進んでいきました」

手術という決断、辛いリハビリを支えてくれた家族と仲間

 高校卒業後は地元の苫小牧栗林運輸に就職。「普段、経理として働いているのですが、合宿や大会の前には同僚から応援メッセージをいただいて、試合も見に来てくれるので、支えられています」と職場の人々への感謝を語ります。

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 周囲の人々に支えられ、北京2022冬季オリンピック前には日本代表の合宿に参加。しかし、2021年3月に右手首を手術したこともあり、メンバー入りはできずにいました。

「手術は大きな決断でしたね。手術してメンタルが落ち込んでいましたし、アイスホッケーができないもどかしさもありました。でも、もし代表に選ばれて痛みを抱えたままオリンピックイヤーを迎えていたら、きっとまた試合にも出られず、何もできないままオリンピックが終わっていたんじゃないかと思います。

 手術をした時は、正直『これで良かったのかな?』と思っていましたが、あの時、手術をすると決めて、リハビリをして、スマイルジャパンのメンバーとして今を迎えられている。あの決断は間違っていなかったです」

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 家族とチームメイトのサポートもあり、手術という大きな決断と辛いリハビリを乗り越えた輪島選手。辛かった時期をこう振り返ります。

「アイスホッケーを始めてから今に至るまで家族にはいろいろな面で助けてもらいました。また、手術明けに、ミラノ・コルティナに気持ちを切り替えて頑張ろうと思えたのはチームメイトの励ましのおかげです。私たち若い世代に気を配ってくれる本当に優しい先輩たちばかりで、コミュニケーションが盛んなとても仲の良いチームです」

 幼少期から代表活動をする現在に至るまで「スポーツくじの助成金にも支えられました」と輪島選手は続けます。

「幼少期から滑っている地元のnepiaアイスアリーナ(苫小牧市白鳥アリーナ)もそうですし、アンダーカテゴリー時代からの海外遠征や国内合宿など、スポーツくじの助成金によってサポートされているんです。私自身や日本のアイスホッケーのレベルを上げてもらっていますし、すごく支えられていると実感しています」

int_174_10 写真左が輪島選手。サポーターをつけてプレーを続けていた中、右手首の手術を決断。仲間の励ましに支えられた [写真]=本人提供

チーム最多得点でオリンピック出場の立役者に

 そしてついにスマイルジャパンのメンバーとして地元開催のオリンピック最終予選に挑みます。予選に向けた2024年夏の代表合宿では、シュートへの意識に大きな変化がありました。

「私はもともとシュートよりもパスを選択する選手でした。シュートに自信がなくて、私が打っても入らないから、シュートを決めてくれる人にパスを出したほうがいいという考えだったんです。

 でも、オリンピック予選では得点をしっかり入れていく意識がないと絶対に勝てません。最終予選が地元開催だということもあり、地元で自分がしっかり得点してヒロインになるんだというワクワクした気持ちで挑みました」

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int_174_12 日本勢として最速でミラノ・コルティナ2026への出場を決める [写真]=朝日新聞/ゲッティイメージズ

 シュートへの意識の変革もあり、2025年2月の最終予選ではチーム最多の5得点を挙げ、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック出場の立役者に。予選での勝利を振り返り輪島選手は微笑みます。

「オリンピックの出場権を自分で掴めたことが、これまでに叶えた一番大きな夢です。8年前、先輩たちが同じリンクでオリンピックの切符を掴んでいるのを観客席で見ていたので、今回は自分がリンクに乗れたことがまずとても嬉しかったです」

挑戦する心を忘れずにいたい メダル獲得という新たな夢

 幼い頃は遠くに見えていたオリンピックですが、その切符を現実のものにし、今はメダルを獲ることが一番の夢。もともと自分に自信がないという彼女ですが、ミラノ・コルティナ2026予選の結果が今自分の背中を押してくれているのだそう。オリンピックという未知の挑戦をするうえで、「挑戦する心を忘れずにいたい」と未来を見据えます。

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「パフォーマンスに波がなく、いつも冷静にプレーできるようになりたいです。また、結果にこだわって、常に得点に絡めるような選手を目指していきたいと思っています。小さい頃、オリンピックというものが本当に遠く見えていたのですが、今は自分で掴んだという感じもしています。

 メダルを獲るということが一番身近な夢になっているのが自分としても信じられないですし、本当に楽しみです。スマイルジャパンとして初のメダル獲得を、私が代表でいるうちに実現させたいです」

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アイスホッケーへの助成

 スポーツくじの収益は、アイスホッケーの普及・発展のためにも役立てられています。

 女子日本アイスホッケーリーグの開催や選手育成事業、アイスアリーナの整備など、スポーツくじの助成金が広く役立てられており、輪島夢叶選手ら日本を代表するアイスホッケー選手の輩出を後押ししています。

 スポーツくじの助成金は、アイスホッケーをはじめとした日本のスポーツの国際競技力向上、地域におけるスポーツ環境の整備・充実など、スポーツの普及・振興のために役立てられています。

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(取材:2025年10月)

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輪島 夢叶わじま ゆめか

2003年8月6日、北海道出身。アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」のフォワード。母と兄の影響で6歳から競技を始める。中学生からは道路建設ペリグリンに所属し、高校卒業後は栗林運輸に勤務しながら競技に励む。中学2年生の時に最年少で選出されたU18代表を経てA代表入り。2025年2月の最終予選ではチーム最多の5得点を挙げ、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック出場に大きく貢献した。

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