トップアスリート×47都道府県
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トップアスリート×47都道府県(佐賀) ヨット 重由美子
風を受け生かされている自分を実感。
五輪のため 1分1秒を懸命に
今、唐津にある県ヨットハーバーの指導者として地元の小中高校生にヨットを指導したり、初心者向けの教室を開いたりしています。また、JOC専任コーチングディレクターとして、特に19歳以下の日本代表選手の強化、指導にも取り組んでいます。
五輪出場は目指していませんが、まだ現役の選手として国体などには出場しています。コーチ業より選手の方が、体を動かすので爽快ですね。勝負の駆け引きもあるし、無心に没頭できます。
ヨットは、自然が相手というのがいい。この年になると、人間社会では自分の意見が通ったりしますが、自然の中では、それが通じません。大自然が、本当の我に返らせ、生かされている自分を教えてくれます。
五輪にはヨット女子の470級で1992年から3回連続で出場しました。最初のバルセロナ五輪では、もう少しでメダルに手が届きそうでしたが、結局、5位。大好きなヨットの一番の舞台に駆け上がりながら、自分の中では情けないレースでした。ただ、この時の悔しさ、反省が次のアトランタ五輪での銀メダルにつながりました。4年間、五輪のレースのためだけに1日、1分、1秒まで懸命に過ごした日々の充実感、そして本番での究極の緊張感。普段の生活では決して味わえない、素晴らしい体験でした。
仲間がいることを実感してほしい
唐津の海は、五輪を狙うには一番の環境です。今回のロンドン五輪に出場する吉田雄悟選手は、私の教え子。きっと活躍してくれると期待しています。唐津からどんどん選手が育つといいですね。
地元でヨットを教えていて残念に思うのは、ヨットを体験したいという人は大勢いるけど、それから先、競技としてやろうという人が少ないこと。初心者で終わるのでなく、競技者として目標を持ちチャレンジし続ければ、人として大きく成長できるのにと思います。
特に、次代を担う子どもたちには、ぜひスポーツでたくましくなってほしい。スポーツに取り組んで、自分がひとりでなく、チームや仲間がいると実感してもらいたいし、応援してくれる周囲の人に支えられ競技ができることも知ってもらいたい。その上で、困難を自分で解決する力を身につけてほしいと思います。
重 由美子しげ ゆみこ
1965年、唐津市生まれ。小学校でヨットを始め、五輪に女子470級(2人乗り)で3大会連続で出場。1996年アトランタ五輪では日本ヨット史上初の銀メダル。佐賀県県民栄誉賞を受賞。
佐賀県内のtoto助成事例
地域の絆を生むスポーツ拠点づくり
NPO法人 かわそえスポーツクラブ総合型地域スポーツクラブ活動助成
助成で実現し、120人が参加した「第1回グラウンドゴルフ大会」
子どもからお年寄りまで年代を問わず気軽に参加できる地域スポーツの拠点「総合型地域スポーツクラブ」を目指し、2004年に発足。07年、スポーツクラブでは県内初のNPO法人に認可され、11年、佐賀市のスポーツ施設指定管理者に選ばれました。当初7種目だったサークル数は現在、41種目に増え、約1100人の会員がスポーツを楽しんでいます。
住民の笑顔のために 永続的な運営を
スポーツ振興くじ(toto)助成を受けて2年目。「クラブ運営には『人・もの・資金』が不可欠。これまでサークル指導者などボランティアに支えられてきたが、助成で指導者への謝金も少し出せるようになった」と同クラブマネージャーで専務理事の矢ヶ部守さん。totoの助成金は、クラブ運営を担う専任マネージャーやサブマネージャーの配置、町内外を問わず参加できる「スポーツデー」などの事業、広報用のチラシづくりなど幅広く役立てています。「永続的なクラブ運営ができるように努めたい」とスタッフ。地域住民がずっと笑顔でいられるように健康づくりや仲間づくり、人づくり、生きがいづくりを進めていきます。
球児の活躍と周囲の安全見守る防球網
鳥栖市民球場地域スポーツ施設整備助成
隣接するJR長崎本線を覆うように張りめぐらされた防球ネット
年間1万3千人が利用する鳥栖市民球場は、外野スタンドのライト側にJR長崎本線が隣接しています。鳥栖市は住宅地が隣接するレフト側はすでに防球ネットを整備していましたが、線路にボールが飛ばないよう2011年度、ライト側にも防球ネットを整備。整備費用にスポーツ振興くじ(toto)助成を活用しました。工事はシーズンオフに「細心の注意を払って行った」と鳥栖市スポーツ振興課の主任小迫義典さん。列車に配慮して作業は球場の内側から行い、天然芝の上に鉄板を敷いてから車両を入れる工夫もしました。
線路を覆うよう整備 打撃練習も安心
今年3月に完成したネットは高さ15m、長さ110mで、線路を覆うように設置されています。同球場で練習を行う県立香楠中学校硬式野球部の髙木健監督は、「硬式は軟式に比べボールが飛ぶので、特にライト側へのファウルボールで事故が起きないかが心配だった」と話します。「ネットができたおかげで安心して打撃練習ができる」とほっとした様子です。明日を夢見て輝く球児たちの活躍する姿をネットも見守っているようです。