インタビュー

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「自分にとって大きな力」 北京パラリンピック旗手が感じた応援の力(2/2)

パラノルディックスキー 川除大輝選手

北京パラリンピックで芽生えた競技普及に対する自覚

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 北京パラリンピックでは、観客を招待客と大会関係者に限定。コロナ前に比べれば応援は圧倒的に少なかったが、「レースに日本代表選手団の人たちが応援に来てくれて、その声援は聞こえていました。『応援は大切。選手の力になる』と北京でも感じました」と笑顔がこぼれる。旧知の他国選手やコーチとは互いを応援し合い、「あれはあれで、なかなかない経験でした」。様々なカタチの応援が金メダルに繋がった。

 選手にとって応援は大きな力になる。それを実体験するからこそ、スポーツくじの収益による助成金が、地域のスポーツ大会・教室の開催や施設の整備から次世代アスリートの発掘・育成まで、広く日本のスポーツを支えることについて「本当に嬉しいこと」と言葉を続ける。

「僕の故郷・富山でも冬季国体や様々な大会を行う時にサポートを受けています。特にスキーは競技人口が減っているので、支えてもらいながら大会を開催できることは、選手として本当に嬉しいこと。その大会をきっかけに、子どもたちがクロスカントリーに興味を持ってくれれば、選手が増えることにもなるので可能性が広がると思います」

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 まだ21歳。これから競技者としてピークを迎えようという川除選手は、自身のパフォーマンスを通じて多くの人にクロスカントリースキーの魅力が伝わることを願う。

「現役の真っ只中なので、まず僕ができることは、結果を出したり取材を受けたりして色々な方に競技を知ってもらうこと。現役を終えた後はまだ何をするのか分かりませんが、選手の育成や競技の普及などで、できるだけ力になりたいと思っています」

 金メダルを獲得して以来、メディアに登場する機会が増えた。以前は「本当にスポーツをやりたい想いだけで、目立ちたいタイプでもないので気が進まなかった」というが、最近では「少し楽しいと思えるようになってきました」と話す。

「以前は所属先の報告会でも『ありがとうございます』と10秒くらいしか喋れなかったんです。競技を広めたいと強く思うようになったのも、取材でしっかり伝えたいと思うようになったのも、北京がきっかけ。北京で本当に色々な経験をして、色々なものが見えるようになってきたから。自分の成長にも繋がっているので、今は楽しいです」

 金メダリストとして挑む4年後のパラリンピック。川除選手はどんな経験を積み、何が見えるようになっているのか。応援の気持ちを送りながら、その歩みを見届けていこう。

(当記事は2022年6月に新型コロナウイルス感染症対策を行った上で取材・撮影を行いました。)

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川除 大輝かわよけ たいき

2001年2月21日、富山県生まれ。日本大学/日立ソリューションズ ジュニアスキークラブ所属。生まれつき両手足の指が一部ない先天性両上肢機能障がいがある。小学1年生から地元クラブでスキーを始め、中学3年生だった2015−2016年シーズンからパラノルディックスキーの大会に出場。高校に進むと全国高等学校総合体育大会(インターハイ)に出場。2018年には高校2年生で平昌パラリンピックに出場した。翌年にノルディックスキーの強豪・日本大学に進み、健常者の大会にも出場。2022年の北京パラリンピックではクロスカントリー男子クラシカル20キロ(立位)で優勝したほか、出場全種目で入賞を果たした。

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