インタビュー

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金メダリストを支えたライバルと恩師 柔道との出会いに感謝する今

柔道 髙藤直寿選手

ライバルの存在が負けず嫌いの心を刺激「僕を高めてくれた」

 小中学生では日本国内、高校生以降は世界に活躍の舞台を広げ、トップを争い続けてきた髙藤直寿選手(パーク24所属)。東京2020オリンピックで念願の金メダルを獲得して以来、栄光のゴールドゼッケンを身につけて戦う猛者は、今の自分があるのは“ライバル”のおかげだと感謝する。

「小学生の頃は丸山城志郎選手がライバルでした。5年生の時に全国小学生学年別柔道大会(40キロ級)の決勝で戦って勝ちましたし、同じ神奈川県内にある中学にそれぞれ進んでからは県大会の決勝で僕が負けたこともあって。あの頃はやっぱり『丸山城志郎だけには負けたくない』という気持ちでやっていたので、彼と競い合っていた時期には周りの何倍、何十倍も練習を積みました。あの時間が僕を強くしてくれましたね」

 ともに1993年生まれ。現在、髙藤選手は60キロ級、丸山選手は66キロ級を代表する存在として柔道界を牽引する。「今、戦ったら負けますよ」と笑うが、10代の頃はとにかく負けたくなかった。「日本代表になって一緒にやるまでは、なかなか話もしない感じだったので、強烈なライバルでしたよね。小さい頃からキラキラ輝いていました」と懐かしそうに話す。

 大学ではグランドスラムシリーズや柔道ワールドマスターズで優勝を飾ったほか、2013年には弱冠20歳で世界柔道選手権大会を制覇。向かうところ敵なしと思われたが、今度はオリンピック代表の座を巡り、大学の3年後輩でもある永山竜樹選手というライバルが現れた。

「永山選手と競い合ったことも自分の心と身体を相当強くしてくれました。負けず嫌いなので(笑)。でも、負けず嫌いが一番強くなる。常にライバルがいて僕を高めてくれたから、ここまで来られました」

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 子どもの頃からの目標だった金メダリストとなった今、ライバルとして目の前に立ちはだかるのは「過去の自分」だという。「東京オリンピックの時の自分よりもどれだけ強くなれるか。今はそういう気持ちでやっています」。

 2024年パリオリンピックでの連覇を見据える上で、「東京での自分より弱くなったら絶対に金メダルは獲れないと思う」。さらなる強さを求めて練習を重ねる過程では、今の自分と過去の自分の対戦を頭の中でシミュレートすることもある。

「今、東京での自分と対戦したらどう勝つのか。リオデジャネイロでの自分と対戦したらどう勝つのか。東京とリオでも全く別人の柔道をしているので考えると面白い。今の自分は多分、どちらにも対応できるし、勝てます。それくらいまで積み上げているので」

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