インタビュー
インタビュー
夢と笑顔と感動を!! “地域創生の核”となるサンガスタジアム by KYOCERA
三輪優太さん(京都府 文化生活部 スポーツ振興課)、小森敏史さん(合同会社ビバ&サンガ 職務執行者)
2020年、京都府亀岡市にオープンしたサンガスタジアム by KYOCERA(京都府立京都スタジアム)。その名のとおり京都サンガF.C.のホームスタジアムとしてJリーグの試合が開催されていることはもちろん、競技場としてだけではなく地域のコミュニティスペースとしての役割も果たす多角的な運営が行われています。今回はそんなサンガスタジアム by KYOCERAの所有者である京都府、そして指定管理者としてスタジアムを運営管理する合同会社ビバ&サンガを取材し、スタジアムに込めた想いや今後の展望、またスポーツ振興くじ助成について伺いました。
スポーツくじの助成金を活用して誕生…多様な世代が集う交流拠点となるスタジアム
全国各地にさまざまなスポーツ施設やスタジアム、アリーナが数多く誕生している昨今。そんな時流の中で京都府亀岡市に生まれたのが、このサンガスタジアム by KYOCERAです。2020年のオープンから現在に至るまで、Jリーグ・京都サンガF.C.のホームゲームはもちろんのこと、サッカー男女日本代表戦(※男子はU-23)をはじめ、さまざまな全国規模、国際規模の大会が開催されてきました。
サンガスタジアム by KYOCERAでは、スタジアム建設にスポーツくじ助成金が活用され、さらに京セラ株式会社のネーミングライツ収益等も活用することで多様な付帯施設を設置し、Jリーグの試合以外の日もスタジアムを活発に利用できる仕組みづくりを実現しました。スタジアム完成の前年、2019年の京都サンガF.C.のリーグ戦平均入場者数は1試合あたり7,850名(当時J2)でしたが、2023年は同13,229名(J1)にまで成長(出典:J. League Data Site)。さらに、まちづくりや地域活性化の核となる施設として、スポーツ庁と経済産業省から『多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアム・アリーナ』のモデル拠点にも選定されました。
ピッチが園庭の保育園や世界基準のクライミングジムなど多様な付帯施設
その選定の鍵の一つとなったのが、付帯施設の多様さ。最新設備のVRフィットネスゾーンやeスポーツゾーン、日本初の国際基準を満たした屋内型スポーツクライミングジム、3x3バスケットボールコートなど、サッカーだけにとどまらずさまざまなスポーツを誰でも気軽に体感できる施設が盛りだくさん。
さらには、天然芝のピッチを園庭として利用できる『びばっこ保育園』をはじめ、山や霧、保津川など、亀岡市を象徴するモチーフをふんだんに使った木育広場『KIRI no KO』、無料で利用できる足湯、レストランが集結したフードコート『Football Diner』など、子ども連れでも安心して一日中楽しめる施設も。特に『KIRI no KO』には京都府内外から多くの家族連れが訪れ、週末には入場規制がかかるほどの賑わいとなっています。
運営する合同会社ビバ&サンガの職務執行者(以下、代表)・小森敏史さんは、サンガスタジアムで子どもたちが遊ぶ姿を見つめながら、「『びばっこ保育園』に通う0歳の赤ちゃんが、いつもピッチではいはいをしているんですよね。もしかしたらその子は将来京都サンガF.C.の選手になるかもしれないし、ファン・サポーターになるかもしれない。長期的に京都サンガF.C.やスタジアムのファンを増やすことにもつながっていくといいなと思っています」と目を細めます。
京都府が目指す“子育て環境日本一”を推進するため、このスタジアムを「人を育てるスタジアムにしたい」と続ける小森代表。
「人を育てるということはもちろん、『夢と笑顔と感動溢れるスタジアム』を目指しているんです。保育園があったり、『KIRI no KO』という遊び場があったり、それ以外にもさまざまなスポーツ施設があるのがこのスタジアムの魅力。子どもから大人まで日常的にいろんなかたちでご利用していただく中で夢と笑顔と感動が生まれ、人生を通して愛していただけるようなスタジアムにしていけたらと思っています」
単なるスタジアムを超えた場となっているサンガスタジアム by KYOCERA。今年8月に開催された亀岡平和祭保津川市民花火大会の際は、主催の実行委員会(亀岡市)と協力し、ピッチにテントを張って宿泊できるイベントなどを開催。保津川下りや湯の花温泉など、亀岡市の観光資源を堪能する人々の姿も多く見られるなど、スタジアムを中心に地域の活発な空気が広がっています。
“地域創生の核”として成長していくサンガスタジアム
スタジアム建設といったハード面だけでなく、京都府が開催する『京都キッズスポーツフェスタ』など、スタジアムで実施されるスポーツイベントにもスポーツくじの助成が活用されています。今年は13種目が行われ、4,000名以上の小学生が参加。事後のアンケートでは『このイベントをきっかけに、やったことのないスポーツにも挑戦してみたい』という声も多く寄せられ、子どもがスポーツを始めるきっかけづくりやスポーツの裾野拡大につながっています。京都府文化生活部スポーツ振興課の三輪優太さんは助成について次のように語ります。
「スタジアム建設だけでなく、このようなスポーツイベントでもスポーツくじの助成金を活用させていただくことで、多様な競技を実施できましたし、アスリートをお呼びすることで子どもたちに夢を与えることもできました。サンガスタジアムには、スポーツくじのロゴが大きく掲出されています。それによって利用してくださる多くの方々にも、こうした取り組みが、子どもたちの健全育成や地域貢献につながっているとお伝えできているのではないかなと思っています」
京都サンガF.C.のファン・サポーターはもちろん、京都府内外から老若男女が集うこのスタジアム。そのさらなる広がりを、小森代表はこう考えます。
「サンガスタジアムのような地域創生の核となる施設がスポーツくじの助成金を活用して作られていくことは、地域への大きなインパクトになります。スポーツ施設が整備されることで地域の経済や人材育成にも好影響を与え、ひいては日本社会全体への貢献にもつながるはず。そのうえで、まずはサンガスタジアムの全エリアが365日賑わうことを実現したいですね。そのために、試合日以外にもいろいろな教室やイベントを実施するなどソフト面をもっと充実させていきたいですし、サンガスタジアムが日常的に活用できる場であるとより多くの人に知っていただけるような活動をしていきたいです」
三輪さんも日常的な用途の充実を掲げながら、サンガスタジアムのこれからを次のように描いています。
「Jリーグの試合以外にも多様な付加価値があるスタジアムなので、『ちょっと遊びにいこうかな』と、ふらっと寄ってもらえるような場所にしていきたいです。そうなることでさらなる地域の活性化にもつながっていくと思います。『びばっこ保育園』や『KIRI no KO』もあるので、子育て世代の方々にアプローチするような活動も継続していきたいですし、eスポーツの大会も開催されているので、eスポーツゾーンの活性化ももっと図っていこうと計画中です」
“地域創生の核”として京都・亀岡の街にとって重要な場になっていくであろうサンガスタジアム by KYOCERA。新たな活用法を展開し続けるこのスタジアムに今後も要注目です。
(取材:2024年8月)
※スポーツくじの収益は、グラウンドの芝生化をはじめとしたスポーツ施設の整備、地域のスポーツ大会・教室の開催や未来のトップアスリートの発掘・育成など、日本のスポーツ振興のために役立てられています。
スポーツくじの仕組みに参加してみるには?
■スポーツくじって何? アスリートのためになる?
スポーツくじの仕組みをもっと知りたい方は動画をチェック!
アンケートにご協力ください。
本記事を読んで、スポーツくじ(toto・BIG)の収益が、日本のスポーツに役立てられていることを理解できましたか?
スポーツくじ(toto・BIG)の取り組みに共感できましたか?