インタビュー

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日本代表ラガーマンが「優勝」を公言する理由 目標達成の秘訣とは

ラグビー 稲垣啓太選手

「スポーツから学ぶ、成長のヒント」GROWING byスポーツくじ。今回は、ラグビー日本代表の稲垣啓太選手が登場する。2014年に日本代表として初出場し、ラグビーワールドカップは2015年イングランド大会と2019年日本大会に出場。南アフリカ代表を破ったブライトンの奇跡、日本代表史上初の1次リーグ突破&ベスト8入りの当事者となった。いくつもの壁を乗り越え、大きな目標を達成するために、稲垣選手はどのようなアプローチを取っているのか。後編では、稲垣選手の目標設定方法と達成するためのマインドセットに迫る。

(前編はこちら)日本代表ラガーマンが明かす成長秘話 意識が変わった恩師との出会い

「モチベーションに左右されるのは好きじゃない」とは…

――稲垣選手は関東学院大学から2013年にパナソニックワイルドナイツ(現・埼玉パナソニックワイルドナイツ)に入団以来、リーグのベストフィフティーンに常に名を連ねています。スーパーラグビー(現・スーパーラグビー パシフィック)のメルボルン・レベルズ、サンウルブズ(当時)でのプレー経験もあり、日本代表ではずっと欠かせない存在であり続けている。いつどこでプレーしようともパフォーマンスを高いレベルで安定させ、かつタフ。稲垣選手なりの秘訣というものを教えていただければと思います。

「秘訣というわけではないですが、そこはもう一貫性を持って取り組めているかどうか。僕、いろんな人に聞かれるんですよね。国内のリーグ戦もやって海外にも行って日本代表としてもやって、それを10年、11年続けてモチベーションが持つんですか、しんどくないですか、みたいに。僕、モチベーションっていう言葉自体、あんまり口にしたことがないんです。正確に言うならモチベーションに左右されるのは好きじゃないし、あってはならないことだと自分の中では捉えています。今日は疲れているからとか、今日は雨だからとか何かと理由をつけて練習をやらないっていう感情がそもそも生まれない。自制心を持って感情をコントロールしていくことで、モチベーションに左右されないマインドセットになっています」

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――日々の取り組みの積み重ねになってくるんだ、と。

「これは僕の知り合いのトレーナーさんたちともよく話をするんですが、日常の中にほんのちっちゃい勝負っていうのがあるんですよね。今日は眠いな、今日は身体重いなって、その誘惑のちっちゃい勝負に負けてしまうと、負けのサイクルに入ってしまう。要は負けグセとでもいうのか、マインドとして負けに慣れていく自分が生まれてしまう。一旦そこのサイクルに入っていくと、抜け出すのはかなり面倒くさいと思うんです。毎日の積み重ねなのに、一つでも休んでしまったら一貫性のサイクルが崩れてしまう。もし休みが必要だと感じたらそういうマインドのもとで休まないといけない。疲れたからとか、やる気がないからとか、そういう理由で休むのはあってはならない。僕はそう考えています」

――なるほど、必要だから休むという感覚。

「そうです。やるべきことをやった上で休むべき状況だから休む。さっき言ったように疲れたからとか、やる気がないからとは(意識として)全然違いますよね」

――稲垣選手のプロキャリアにおいて「負けのサイクル」に足を踏み入れてしまった経験はあるのでしょうか?

「ないと思いますね。例えば1週間くらいのオフで妻と一緒に旅行に行くとなっても、旅先で毎日トレーニングはやっていましたね。旅行中だからやらないとかじゃなくて旅行中であろうが何だろうが、必要だからやるだけ。こういうのって慣れてくれば一貫性を持って取り組めるようになりますし、モチベーションがどうとかでやっていないので、そういったものに左右されない自分になります」

ラグビーワールドカップで歴史を塗り替えても残る悔しさ

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――それではラグビーワールドカップに話を移していきたいと思います。稲垣選手にとっては2015年イングランド大会、2019年日本大会に続いて3度目のラグビーワールドカップ。まず2015年イングランド大会を振り返っていただくと、優勝候補の南アフリカ代表を撃破するアップセットを起こしました。日本はそれまで過去7大会で1勝のみ。強豪相手にも100%の準備をしていけば、十分に勝算はあると考えていたのでしょうか?

「もちろんです。どれだけ準備が重要かということは、全員のメンバーが分かっていましたし、100%準備したものを試合でそのまま出せればどんな相手にも通用すると考えていました。勝ったことでそのメッセージは多少なりとも発信できたんじゃないですかね」

――スコットランド代表には敗れましたが、サモア代表、アメリカ代表にも勝利。この2015年大会を経験して稲垣選手が得たものと言いますと?

「いや、どうですかね。結局1次リーグを突破できないで終わったわけですから、個人的な感情としては悔しさしか残らなかったです。結果を残してもないのに『良くやった』と声を掛けられてもちょっと複雑でした。ただ客観的に日本ラグビー界全体を見た時に、ラグビーの知名度、注目度というのは上がったとも感じました」

――今の話を聞くとアイルランド代表やスコットランド代表など1次リーグを全勝で突破しながらもベスト8で南アフリカ代表に敗れた自国開催の2019年大会も、同じような感覚なのでしょうね。

「1次リーグを突破したのは日本ラグビー史上初めてで、新しい一歩を踏み出せたことは素晴らしかったと思っています。ただ先ほど言ったように、負けて終わるっていうのはプレーヤーとしてすごく悔しい。日本代表の一員としてワールドカップで結果を残すことが一番の名誉だし、それがすべてだと僕は思っています。それなのに負けて終わったわけですから、許せない事実。そのように自分に向けています」

――しかしながら日本列島が歓喜に沸き、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチが掲げた「ONE TEAM」は「現代用語の基礎知識」選 2019ユーキャン新語・流行語大賞 年間大賞に選ばれました。世間に対する反響という意味においてラグビーワールドカップの力をどのように感じましたか?

「日本代表が勝つにつれて本当に多くの人がどんどん応援してくれるようになりましたし、その熱量を身近に感じることができました。近くの公園でサッカーのユニフォームを着て遊ぶ子どもたちをよく見かけていたんですけど、ワールドカップの後はラグビー日本代表のジャージを着ている子どもたちが結構いました。日本でその光景を見ることができたのはすごく嬉しかったですね」

今年のラグビーワールドカップで「優勝」を公言する理由

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――そして9月開幕のフランス大会について伺いたいと思います。1次リーグではチリ代表、イングランド代表、サモア代表、アルゼンチン代表と対戦します。稲垣選手自身33歳を迎え、豊富な経験値を持って臨む大会になると思います。

「経験に基づいたプレーの予測、つまり次、何が起こるのかというのは大体分かるようになってきました。自分の経験則に当てはめてみて、こういうシチュエーションになったら多分味方はこう動く、相手はこう動く、あそこにスペースができるはずだから自分がどういうプレーをすればいいかってパッと出てくるようになっています。プレーの無駄が省かれて、次のプレーを予測するスピードが上がっている感覚。ここは自分の成長を実感できている部分でもあります。オフフィールドでチームを作っていく過程においても、そういったところで力になれるんじゃないかなとも思っています」

――稲垣選手は今回目標として「優勝」を掲げ、公言しています。

「ベスト8とかベスト4とか、そういった目標設定でも悪くはないと思うんです。でも、それって結局負けて終わってしまうことになるじゃないですか。僕としては負ける前提にはしたくない。上に登っていく過程で、頂上に挑む(チャンスがある)のであれば一番上を目指すのは当然だと思っていますし、ましてや前回ベスト8で終わっていますから。こうやって優勝と口に出すことによってプレッシャーとして自分にはね返ってくるのも理解しています。そういったことも自分の力にしていきたい。いい準備をして大会に臨みたいと思っています」

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稲垣 啓太いながき けいた

1990年6月2日、新潟県出身。埼玉パナソニックワイルドナイツ所属。ポジションはプロップ。兄の影響を受け、14歳からラグビーを始め、強豪・新潟県立新潟工業高等学校に進学。全国高等学校ラグビーフットボール大会に3年連続出場した他、高校日本代表、U20日本代表に選出されるなど早くから才能を認められていた。関東学院大学を経て、パナソニックワイルドナイツ(現・埼玉パナソニックワイルドナイツ)に入団。2014年に日本代表として初出場して以来、ラグビーワールドカップは2015年イングランド大会、2019年日本大会に出場。スクラムの最前列として欠かせない存在となっている。

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